低タール、低ニコチンのたばこを吸っている人ほど吸煙量が多く、タールやニコチンが多いたばこを吸っている人と同程度の有害な化学物質にさらされていることが、厚生労働省の研究班(代表者=遠藤治麻布大准教授)の調査でわかった。
パッケージに表示されているニコチン量が10分の1になっても、摂取量は3分の1程度にしかならず、表示通りには煙害が減らないことも明らかになった。
調査対象は、1日約19本を吸う20〜65歳の約100人。いつも吸っているたばこの種類に合わせ、〈1〉タール1ミリ・グラム表示(ニコチン量はタール表示の約10分の1)〈2〉同3〜6ミリ・グラム〈3〉同8〜10ミリ・グラム〈4〉同14ミリ・グラム――の4グループに分類し、ニコチン摂取を示す化学物質(コチニン)量、呼気に含まれる一酸化炭素量などを調べた。
その結果、タール6ミリ以下のグループは、1回で吸い込む平均吸煙量が58・4ミリ・リットルで、それより高いタールのたばこを吸っている人(50ミリ・リットル)よりも多い傾向があった。1日当たりの平均吸煙量では、高タールグループより、約4500ミリ・リットルも多くなっていた。
コチニン量については、表示されたニコチン量が多いほど増える傾向にはあったが、タール1ミリのグループの唾液(だえき)1ミリ・リットルに含まれるコチニン量は、タール14ミリのグループの約3分の1に過ぎなかった。一方、たばこの煙に含まれ、動脈硬化などの要因とされる一酸化炭素はタールやニコチン量による差はなく、ほぼ同量を吸引していた。
調査した国立保健医療科学院の稲葉洋平主任研究官は「表示が低いからといって、必ずしも健康への影響が表示通りには低くならないことを認識してほしい」と話している。
これは前から言われていましたね。禁煙に向けて、いつもより軽い煙草を買っても、より深く、最後まで吸い込むためにあまり効果はないとか。やめるならすっぱりとやめないと、意味がないらしいです。