厳しい暑さが続き、熱中症に注意が必要な時期になってきた。きちんとした予防法や対処法を知っておきたい。
「お年寄りや小さな子どもは、家族が注意して見守ることが必要です」と話すのは、東京消防庁救急指導課の梁田宜明さんだ。
国立環境研究所のまとめでは、昨夏、熱中症で救急搬送された65歳以上のお年寄りのうち、43・7%が自宅での発症だった。「温度変化に適応しにくいお年寄りが、閉め切った部屋で冷房をつけずにいて熱中症にかかることがあります」と梁田さん。
一方、車内に置き去りにされた子どもが死亡する事故が毎年のように全国で相次いでいる。「炎天下に駐車した車の車内温度は30分で50度以上になる。車内に子どもを置き去りにするようなことは絶対にしないで」と訴える。
一般的な予防法は、スポーツドリンクや食塩水(水500ミリ・リットルに塩1グラム)をこまめに補給し、外出時には、帽子や日傘を持ち歩いて直接日光に当たらないよう注意する。炎天下での長時間の作業や運動は避ける。
暑さの中で、吐き気、嘔吐、めまい、筋肉のけいれんなどの症状が出たら、熱中症の可能性がある。衣服をゆるめて楽な姿勢になり、風通しのよい日陰や冷房の利いたところに移動する。「冷たい水で絞ったタオル、中身が冷えたペットボトルを、両わきの下や、ももの付け根に当てるのも有効です」と梁田さん。その後、早めに医療機関を受診する。
今年もずいぶんと暑くなってまいりました。子供もご老人も、暑さに対する調節能力が低くなっています。できるだけ水分を多く摂取するよう心がけて活動してください。室内でも要注意です。