2009年07月12日

磁力で自在に操れるカプセル型内視鏡を開発する。

胃の中、自在にスーイスイ 自走式の内視鏡を開発

 胃や腸の中を自在に動かして撮影することができる「自走式カプセル内視鏡」の開発に成功したと、龍谷大と大阪医科大の共同チームが2日、発表した。市販のカプセル内視鏡にヒレと磁石をつけ、磁力を利用して遠隔操作しながら動かす。犬の胃の中の撮影に成功、1年以内に臨床試験を始めたいとしている。

 胃カメラなどのチューブ式の内視鏡は検査時の苦痛が大きく、その苦痛を軽くするため、飲み込んで排泄するタイプの超小型カメラ内蔵のカプセル内視鏡が開発され、実用化されている。しかし、カメラが医師の観察したい所に行かないこともあるという問題があった。

 大塚尚武・龍谷大教授(機械システム工学)らは、小型磁石とヒレをつけた自走式カプセル内視鏡と磁場の発生装置を開発した。磁場に反応して磁石が動き、その動きがヒレに伝わって、魚が泳ぐように動く仕組みだ。画面を見ながらジョイスティックで動きをコントロールする。

 犬の胃の中に止血用のクリップ4個をおき、この内視鏡で撮影した画面を見ながら探す試験をしたところ、うまく見つけることができた。

 今回作った自走式カプセル内視鏡は長さ4.8センチ。磁場は弱く、人体への影響はないと考えられるという。「将来は胃や小腸、大腸などすべての消化管が検査できるようにしたい」とチームの樋口和秀・大阪医科大教授(内科)は話している。



 消化器の内視鏡は、どうしても苦痛が伴います。腕がよければその苦痛は極力減らせるようですが、全国的に、となるとなかなか。

 従来のカプセル型内視鏡では、ただカプセルがある場所の写真をとりまくって送るだけなので、求めている箇所が撮れない、という可能性もなきにしもあらず(それでも膨大な枚数を取るのでそこまでのデメリットではないとは思いますが)。

 やはり人間の手で操作できる内視鏡が一番ですね。しかしカプセル型内視鏡はコストがかかりすぎるという難点もあるので、実用化と普及はなかなか難しそうです。お金もちなら今すぐにでもカプセル型内視鏡を使うといいかもー、飲むだけですし。

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posted by さじ at 04:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化
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