マルチビタミンは、染色体の末端部分であるテロメアの短縮予防に有用であり、結果として女性の寿命が延びる可能性があることが、新しい研究によって明らかにされた。
テロメアは染色体を損傷から保護している。細胞が分裂するとテロメアがわずかに短縮することから、米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のHonglei Chen博士らは、この短縮を予防すれば、新しい細胞を保護することができ、加齢の影響が低減する可能性があると推測した。
米国立衛生研究所(NIH)の資金援助を受けて実施した今回の研究で、同氏らは、乳癌患者で姉妹には癌が認められない女性を対象とした姉妹研究の被験者586人のデータを分析。研究の一部として、被験者に12年間のビタミンサプリメントの使用状況を尋ねた。また、血液検体を採取し、 DNA検査も実施した。
研究の結果、マルチビタミンを1日1回摂取していた女性は摂取していない女性に比べて、白血球テロメア長が平均 5.1%長かった。これは、約9.8年の加齢によるテロメア長短縮に相当するという。Chen氏は「食事によるビタミンCやEの摂取も、より長いテロメア長と関連していた」としている。
同氏は「マルチビタミンを摂取する女性のほうが、白血球テロメアが長いという疫学的エビデンス(根拠)が 示されたのは今回が初めて。ただし、ビタミンがテロメア長を維持し、実際に寿命を延ばすかどうかは不明である。健康なライフスタイルによる可能性も排除できない。マルチビタミンの使用が加齢の過程を遅らせると結論づけるのは時期尚早である」としている。
米エール大学医学部予防研究センター所長のDavid Katz博士は「ビタミン摂取の価値については様々な意見があり、確固たるエビデンスが得られるまで、摂取するかどうかは個人の選択である」としている。 同氏はまた、今回の研究はビタミンの使用を割り付けて行ったものではなく、観察的なものである点も指摘している。
取らんよりは取ったほうがいいということですかね。取れば取るほど劇的に効果があるというわけではないでしょうけれど。
水溶性ビタミンなら過剰症は考えにくいので、まぁサプリで取っても構わんとは思います。ビタミンD,Aなどは脂溶性なので気をつけてくださいね。
◆ビタミンA過剰症◆
食欲不振,皮膚落屑,脱毛,皮膚乾燥,骨・関節痛,肝脾腫,皮膚色素沈着,胎児奇形,脳圧亢進. 急性中毒:仮性脳腫瘍:髄液圧の異常をきたし、嘔気,嘔吐,頭痛,泉門開大等慢性中毒:易刺激性,骨痛,手掌・踵の落屑等
◆ビタミンD過剰症・ビタミンD中毒◆
ほとんどが医原性、高カルシウム血症と類似の症状。 筋緊張低下,嘔気,食欲不振,易刺激性,腹痛,脱水,便秘,下痢,多飲 ・多尿等。かゆみ,腎石灰化症,異所性石灰化,腎不全,尿路結石.高血圧症の悪化
参考:J-medical
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