早期の肝臓がんに対し、手術とラジオ波治療のどちらが優れているか、比較する多施設共同研究(SURF試験)が始まる。主任研究者の東大教授、国土典宏さんらが発表した。
肝臓がんの治療ガイドラインでは、肝機能が低下していない患者で、3センチ以下のがんが3個以内の場合、切除手術か、体の外から電極針を刺しがんを焼くラジオ波治療を勧めている。
ただし、現状では、長期的にみて、どちらが優れているか結論が出ていない。国土さんは「患者の治療方針が、主治医の経験、得意不得意に左右されている。優劣があるかどうか、客観的に評価するための研究が必要」と話す。
この研究には全国の75医療機関が参加する。対象は20歳以上80歳未満で、初めて肝臓がんが発生した患者。年齢層などを調整したうえで、手術とラジオ波治療に無作為で300人ずつに振り分ける。
3年以内に計600人を登録し、登録終了の3年後に、再発のない生存率を調べる。登録5年後に全生存率を調べ、公表する。
国土さんは「二つの治療の説明を聞いて迷う方は、ぜひ、この試験にご参加下さい」と患者に呼びかける。
病院単位以前に、主治医の先生によって代わってくるでしょうね。そういう治療法を患者さんに選択させるのも、患者さん主体の医療とはいえ結構酷だと思います。よくわかっていないわけですから。
医療の発展のためにも、ご協力していただければ幸いです。
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