脳死を「人の死」とすることを前提に、現行では禁止されている15歳未満からの臓器提供を可能とすることを柱とした臓器移植法改正案(A案)は、参院での審議開始が24日以降となる見通しだ。
参院本会議での採決が7月以降となることは確実で、衆院解散の時期によっては廃案となる可能性もあり、成立は予断を許さない状況だ。
18日の衆院本会議でA案が賛成263、反対167の賛成多数で可決したことを受けて、参院議院運営委員会は同日午後、理事会を開き、A案の審議日程の協議に入った。自民党が19日の参院本会議での趣旨説明を求めたのに対し、民主党は「早急すぎる」として反対したため審議入りは早くても24日となることが固まった。
これに関連して、民主党の輿石東参院議員会長は18日の記者会見で「最優先でやらないといけないとは思っていない」と述べ、早期の実質審議入りに慎重な考えを示した。
衆院での採決結果を見ると自民党はA案への賛成が202票で全体の7割を超える一方、民主党は反対票が賛成票を上回った。共産党は「採決は時期尚早」と採決を棄権した。社民党は全員が反対票を投じており、野党が多数を占める参院でA案への賛成が過半数となるかどうかは不透明だ。
特にA案の前提となる脳死を「人の死」とする考え方には与党内にも慎重論がある。1997年6月に成立した現行の臓器移植法は、衆院通過時点では脳死を一律に「人の死」としていたが、参院の審議の中で「臓器移植の場合に限り脳死を人の死とする」という内容の文言を加筆する修正が行われた。A案はこの時、参院で修正された部分を現行法から削除しており、12年を経過して参院がどのような判断をするかが注目される。
また、衆院が解散された場合、衆参両院に提出された法案は慣例によりすべて廃案となるため解散前の成立が不可欠となる。
これに関連して麻生首相は18日午後、記者団が「臓器移植法改正案の今国会の成立を目指すことが、衆院解散の時期に影響を与える可能性があるか」と尋ねたのに対し、「(影響は)ないと思う」と答え、解散時期は同改正案の成立とは関係なく判断する考えを示唆した。
この件に関して言えば、野党は酷い動き方しかしてないと思います。臓器移植について審議した結果反対票を投じるなら分かりますけれど、時期尚早とか、一体何を言っているのかと。思考の停止した政治家ほど使えないものはないですね。審議したくないならさっさと政治家やめてしまえばいいのに。
人間の命の重さは何にも変えられない。それほどまでに人間の命は尊いし、価値があるのです。
今移植をすれば助かる命があって、技術があって、臓器がある。それが国内で循環しないことに問題がある。問題の1つめは法が改正されないことで、もう1つめは感情の問題。
でもそんなもの、慣れでしょう、要するに。肝心なのは脳死が死なのかどうかというところ。
死です。よく脳死した人でも生き返ったとか何とか言う人がいますけれど、それは脳死と判定した人が未熟であったことやずさんであったことが考えられます。つまり脳死じゃない。和田心臓移植事件などで臓器移植に対して過敏になっている日本人のことを考慮すれば、今行われている脳死判定の精度は的確であり、それによって判定された脳死は死であるといえます。
これで参議院で廃案にでもなったら、さすがに政治家の無能さに辟易としてしまいますね。国を良い方向に持っていくことが出来ず、保身に走り続ける政治家など存在価値がない。
臓器移植法の改正は、2009年度の最優先事項だと思います。公共事業のオカネだとか、そんなものはどうでもいい。幼い命を救えるかどうかの問題です。そこに自分の浅ましい感情をはさまないでほしいですね。
関連
医学処:臓器移植法施行から10年。助かった人数209人。
医学処:15歳未満の脳死臓器移植を、早急に国会で採決しろ。
医学処:とうとうアメリカで、日本人の臓器移植を拒否。
毎日読ませていただいています。私も脳死は死だと思います。
今回のA案の可決によって、救える命を救うというあたりまえの事が、ようやくできるようになります。まだまだ問題点はありますが、第一歩を踏み出したという意味で、極めて意義のある改正だと思います。
お亡くなりになった家族の方にはお気の毒ですが、利己的な感情論でその死を無駄にしてはなりません。くだらない感傷よりも、現実に救える命がすぐそこにあるのです。
参院でも良識ある結果(可決)となる事を心から期待しております。
「今行われている脳死判定の精度は的確であり、それによって判定された脳死は死であるといえます」とお書きになっていますが、間違いです。
無呼吸テストを含む脳死判定を行われ、脳死とされながら、
・大阪大学付属病院http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery0.htm#40d-respiration-3m では40日後に自発呼吸が復活(日本救急医学会雑誌2巻4号p744〜p745、1991年・Pediatrics96巻3号p518〜p520、1995年)
・公立高畠病院http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery15.htm#126d-eeg-11y では9ヵ月以上経過後に自発呼吸が復活(日本小児科学会雑誌99巻9号p1672−p1680、1995年)。
・広島大学病院http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery0.htm#7d-abr-3m では6日後に聴性脳幹反応が再開しています(日本救急医学会雑誌8巻6号p231−p236、1997年)
脳死と判定された人が、数日後〜数ヵ月後に息を吹き返したり脳の機能していることが確認されている。脳死判定基準を満たしたことで死とするならば、死んだ人が黄泉帰ったことになりますが、それでいいのでしょうか?
以上