臓器移植は内臓疾患に対する有効な治療法となるが、患者に適合する臓器を見つけることは難しく、臓器移植を待つ患者の多くが、臓器が見つからないまま死に至る場合が多いのが現実だ。しかし、このような移植用臓器を大量生産できる画期的手法が学術専門誌「iJournal of Molecular Cell Biology」に発表され大きな注目を集めている。
この研究発表を行ったのはShanghai Institute of Biochemistry and Cell Biology(上海生命科学研究院)のLei Xiao博士を中心とする研究グループ。
研究グループが発表した手法とは、遺伝子を操作を加えてブタの臓器をヒトに移植をしても拒絶反応が起こらないように変えた上で、更に、遺伝子操作が加えられたブタの幹細胞を使って移植用の臓器の複製を作るというもの。
研究グループは、その上で、実際にブタの幹細胞を製作することに成功。今後は、実際に、拒絶反応がでないように遺伝子操作を加えたブタを製作することで、移植用臓器の大量生産技術の確立を目指すとしている。
昔から豚の臓器を移植しようという話はありました。もちろんフィクション上のことでしたけれど、遺伝子操作が進歩したことで、それも絵空事ではなくなりました。
日本では脳死臓器移植(に関する国民の意識)が一向に進歩しないので、こういう研究に期待したほうが良さそうです。医療は誰のためのものなのか。生きようとしている人のためのものです。
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