なにわの伝統野菜の一つで玉造黒門越瓜にアルコール性肝臓疾患の予防に効果があることが、大阪市立大大学院生活科学研究科の小島明子准教授らの研究で分かった。アルコール成分を加えたラットの肝細胞に、瓜の抽出物質を加えた場合、15%も細胞死亡率が低下した。
玉造黒門越瓜は、江戸から明治期にかけて現在の大阪市東成区や中央区などで盛んに栽培された伝統野菜。肉厚で大きく、粕漬けなどに加工して食べられていた。東成区出身の小島准教授は、肝臓疾患などの生活習慣病の予防の研究を行っており、近年食材として注目される「なにわの伝統野菜」を疾病予防に活用したいと実験を試みた。
その結果、肝細胞の培養液にアルコール成分であるエタノールを加えると18%が死滅したが、瓜の可食部の抽出物を加えると死滅率が3%にとどまることが判明。瓜の何らかの成分がエタノールから細胞を保護する働きを持っていることが分かった。皮や種子部分でも同様の結果が得られたという。
また小島准教授らは、アルコール性肝硬変の進行の目安となる肝星細胞の活性度を調査。ラットの肝星細胞の培養液にエタノールを入れた場合、肝星細胞の活性度指数となるコラーゲンが通常の3倍に増えたが、瓜の抽出物を同時に入れると、通常とほぼ同じ量しか作られないことが分かった。
こうした結果について小島准教授は、「予想以上の効果で驚いている。今後は原因物質の特定を目指すとともに、動物実験を行ってさらに実効性を詳しく確かめたい」としている。
ご当地モノ。この玉造黒門越瓜って全然知らないしおそらく食べたこともないと思うんですけれど、先に食品に目をつけてその後その効果を調べるって結構途方もない気がしますね。
でも効果を挙げているということです。関西在住の人はおいしく食べてみてはいかが。身体に悪いものではないと思いますし。