宮崎大医学部(清武町)は、学生や研修医が救急医療や診察、治療方法を学ぶ「臨床技術トレーニングセンター」を開設した。実際に患者を診察する前に技術を身に着けるとともに、若手医師らに医療への関心をより深めてもらうことが狙い。
センターは同学部福利棟2階を改装して活用。以前からあった上半身、下半身、腕など体の各部位の形をした訓練器具に加え、肺疾患を調べる気管支鏡、胃カメラを体験できるシミュレーター、気管切開や乳児の気道管理を学ぶ模型(トレーナー)などを新たに導入した。改装及び機材購入費は計約7000万円。
例えば、気管支鏡のシミュレーターは、装置に内視鏡を入れると気管支が画面に映し出され、無理な操作をすると装置が患者のせきのような音を発する。また、心肺蘇生法を学ぶ模型は、心臓マッサージの位置や強度、早さが適切かどうかなどをランプで知らせる。こうした装置により、誤りを確認しながら、技術を体得できる。
同センターによると、日本の医学教育はこれまで講義中心で、知識偏重の傾向があった。臨床実習は教授や医師らが治療する様子を見て学び、その後、教授らの指導の下で、実際に治療する形だった。
センター開設で、学生や研修医は実際に治療に当たる前に練習できるようになる。〈1〉危険がない〈2〉時間を掛け、繰り返し訓練できる〈3〉チームによる治療を訓練できる――といったメリットがあるという。
同学部は今後、高校生など大学外への開放や、他大学と合同の専門医養成にも取り組む計画。
センターは25日、報道陣に公開された。同学部医学教育改革推進センターの小松弘幸准教授は「充実した設備を持つことで、若い人が医学により興味を持ち、さらに医師の確保にもつながれば」と話していた。
心臓マッサージの人形などはよくあるでしょうけれど、気管支鏡のトレーニング器具まで完備しているとは。確かに若手医師は患者さんに触れながら学んでいきますけれど、こういう手技はできるだけ危険のない方法で習得していったほうが安全ですからね。
こういうセンターを有効活用できるようになると良医育成が促進しそうです。決して無駄な出費ではないです。
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