産科医不足が深刻化する中、神奈川県助産師会立の助産院「とわ助産院」(横浜市鶴見区、山本年映院長)が6月1日に開院する。助産師会による助産院は全国的にも極めてまれといい、周産期医療の厳しい現状を打開する切り札の一つとなるか注目される。
「昭和30年ごろまでは自宅出産が主流で助産師会も地域で大きな役割を果たしていた。バトンを受けた私たちは、次代の助産師につないでいく役割があると認識している」−。同会の山本詩子会長はこう話す。
同院は同区で長く開業していた「鈴木助産院」の閉院に伴い、施設を引き継ぎ横浜市の助成や会員からの貸し付け、寄付を受けリニューアル。助産師は常勤2人、非常勤3人を確保し、ベッド数は9床。嘱託医療機関は同市立市民病院で、月10〜15件の分娩取り扱いを目指す。産後の母親が不安を解消できるよう、施設を開放して子育て支援などケアしていくことも検討している。
ただ同院の目的はそれだけではない。院内には研修会施設や実習受け入れ施設を併設、助産師育成の場として活用し、人員確保や質の向上を図っていきたい考えだ。同会は「これからのモデルとなるような助産院を作りたい」としている。
正常分娩ならばこういう助産院のほうが良い出産できそうです。医師は異常分娩に従事し、出産のプロである助産師のもとで正常分娩する。産後のケアもしっかり行う、という。
今後はこういう助産院が全国的に増えてゆくことでしょう。メリットもニーズもありますし。
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