酢を飲み続けると内臓脂肪が減ることを、ミツカン中央研究所(愛知県半田市)が成人対象の実験で確認した。長崎市で開かれる日本栄養・食糧学会で21日、発表する。
実験は、肥満度を示す体格指数(BMI)が25〜30の「軽度肥満」に該当する成人男女175人(うち女性64人、平均44.1歳)を対象に実施。過度の運動を避けてもらうほかは通常の生活を送りながら、リンゴ酢を配合した飲料を1日2回、12週間飲み続けてもらった。
腹部のコンピューター断層撮影(CT)画像による内臓脂肪面積の変化や体重、血中中性脂肪などの変化を比較。データが得られた155人を分析したところ、1日30ミリリットル(酢酸量1500ミリグラム)摂取した群は内臓脂肪面積が平均約6.72平方センチ減り、腹囲は同1.85センチ減少。15ミリリットル(同750ミリグラム)摂取した群も減少した。酢を含まない飲み物を飲んだ群には変化が見られなかった。また、酢を摂取した群は、血中1デシリットルあたりの中性脂肪が28.2〜42ミリグラム減った。
研究チームはこれまでに、酢の主成分である酢酸が脂肪の合成を抑えたり、燃焼を促進することを動物実験で確かめている。岸幹也チームリーダーは「BMIが25未満の人については、酢の減量効果は見られなかったが、酢酸には血圧を下げたり、血糖値の上昇を抑える効果もある。ドリンクや調味料として摂取し続けることで、健康への効果が期待できる」と話している。
最近はリンゴ酢を使った飲料などがそこらじゅうで見かけられるようになりました。実際に内臓脂肪を減少させる効果があるとなると、民間療法ではなく貴重なダイエット食品として活躍しそうです。
関連
医学処:健康食品と医薬品の関連をまとめた健康食品ポケットマニュアル
医学処:糖尿病の人にとって、酢が重要な要因となってくるかも。