2009年05月12日

夜間に2回以上トイレに起きる高齢者は死亡率が高い

夜間頻尿が高齢者の死亡率の高さに関連−北日本都市部での研究

 夜間に2回以上トイレに起きる高齢者は死亡率が高いことが日本の研究で示され、米シカゴで開催された米国泌尿器科学会(AUA)年次集会で発表された。夜間の排尿そのものではなく、睡眠の中断などの因子が死亡に関与している可能性もあるが、いずれにせよ「夜間頻尿とその原因について評価、治療することの必要性が改めて示された」と、米イースタンバージニア医科大学(バージニア州)助教授のRobert Vorona博士は述べている。

 高齢になると、睡眠中の尿意がよくみられるようになる。報告を行った東北大学病院(医科診療部門)泌尿器科の中川晴夫博士らによると、この症状には心疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸、腎疾患、下部尿路障害および睡眠障害など、さまざまな健康問題が絡んでいる可能性があるという。

 今回の研究では、北日本の都市部に住む70歳以上の788人(女性429人、男性359人)を対象に2003年に面接を実施し、その後3年間の被験者の医療記録を調べた。その結果、夜間に平均2回以上排尿のある人は、1回以下の人に比べて3年間の死亡率が2.7倍であることが判明。この数値は、糖尿病、高血圧およびアルコール摂取などのいくつかの因子の影響を考慮して統計学的に調整した後のもの。

 「夜間頻尿は加齢だけの問題とは限らない。重篤な疾患が関与していることもあるので、患者はその原因を医師と話し合うべきだ」と、AUAのAnthony Y.Smith博士は述べている。しかし、夜間頻尿と死亡率の高さとの正確な関係は明らかにされていない。2006年に実施されたある研究では、心疾患と夜間頻尿のある人は心疾患だけの人よりも死亡率が高いことが示されているという。別の研究では、夜間頻尿と転倒、股関節骨折との関連が示されている。「夜間頻尿のある患者はよく眠ることができず、日中の注意力が低下するため、事故のリスクも高い」と同氏は説明している。



 普通ですと夜間は排尿に行かずとも寝ていられる人が多いと思うんですけれど、高齢者となると色々な問題が原因で、夜間頻尿となってしまうこともあります。

 やはり熟睡できないと日中に弊害が起こることもありますが、それ以上に何かの疾患によって夜間頻尿になっているのだとしたら、死亡率はそれだけで上昇してしまいます。

 気になる方はお近くの泌尿器科へ。

関連:医学処 40代以上の8人に1人が、過活動膀胱に該当する。
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posted by さじ at 07:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
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