脳機能障害のひとつ「自閉症」を持つ子供の脳内では、「扁桃体」と呼ばれる部分が通常より大きくなっていると、米ノースカロライナ大学の研究者が発表した。自閉症の兆候を、乳幼児期の扁桃体の大きさを調べることで判別できるのではないかとしている。
自閉症は脳機能の障害により生じる、発達障害の一種。他者とのコミュニケーション能力が低いといった特徴がある。子供150人に1人の割合で見られるとされ、米国では近年、1日あたり67人が新たに判明するなど、増加傾向にある。
ノースカロライナ大学のジョゼフ・ピーベン博士はMRI(磁気共鳴断層撮影)を用いて、自閉症の子供50人と、通常の子供33人の脳を2歳時と4歳時で調査。その結果、自閉症児は平均して、扁桃体が13%、肥大していた。
扁桃体が大きくなり始める時期がわかれば早い段階で対応できるとして、扁桃体の大きさを調べることで自閉症の兆候が判断できるのではないかと指摘。現在は保護者が扁桃体の大きさを調べることはできないが、将来的には診療判断の有効手段になりえるとしている。
自閉症の画像診断。早期に出来ればより対応も早く出来ますからね。児童精神医学の画像診断も今後伸びていく分野だと思います。
あとは何故扁桃体が大きくなるのかを考察できれば、治療法確立に向けて一歩踏み出せるかも。
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