人の体にとって邪魔な物質に結合する目印たんぱく質「ユビキチン」の量を調節する仕組みを、東京都臨床医学総合研究所の木村洋子研究員らが世界で初めて解明し、米科学誌セル電子版に発表した。細胞にごみのような不要物質が蓄積するとパーキンソン病やがんなどを発症する。難病治療の薬剤開発につながる成果として注目される。
ユビキチンは、細胞内で鎖状につながって蓄えられている。必要に応じて鎖がほどけて、目印役として働き始め、不要の物質と結合、その物質の分解が始まる。ユビキチン不足は細胞内にごみをため、病気を起こす。
研究チームが、ユビキチンの働きがヒトの細胞と似ている酵母の細胞を培養したところ、通常より高温の39度にすると、約1時間で鎖が完全に消えることに気づいた。
また、酵母細胞が持つ未知のたんぱく質を発見し、このたんぱく質を働かないように操作すると、ユビキチンの鎖が最初から存在しなくなった。一方、過剰に作り出すと、高熱でもユビキチンの鎖が残ったため、たんぱく質が、鎖をほどく酵素の働きを妨げる役割を担っていると結論づけた。このたんぱく質を調節し、病気の原因物質を分解する新たな治療法が開発できる可能性があるという。
ほう。ユビキチンを用いてパーキンソン病などの難病指定疾患を克服することができるかもしれないというニュース。
そういえば何年か前にユビキチン関連でノーベル賞あったよなぁと思って検索してみるとwikipediaに載ってました。
2004年度には「ユビキチンを介したタンパク質分解の発見」の功績により、アーロン・チカノーバー、アーウィン・ローズ 、アブラム・ハーシュコの3人がノーベル化学賞を受賞した。