理化学研究所はマウスの受精卵から成長した胚から、精子のもとになる生殖細胞を試験管内で作製するのに成功した。この生殖細胞を、精子を作れないオスのマウスに移植すると精子に成長、卵子と受精させると健常な子も生まれた。新型万能細胞(iPS細胞)から精子や卵子を作る際の基礎となる技術で、生殖医療や再生医療に役立つ可能性がある。
理研発生・再生科学総合研究センターの斎藤通紀チームリーダーと大日向康秀研究員らの成果で、1日付の米科学誌セルに発表した。
受精卵は胚になった後、精子や卵子に成長する「始原生殖細胞」と、神経や血液、様々な臓器になる体細胞に分かれる。研究チームは受精後6日ごろから「Bmp4」という分子が働き、他の遺伝子が活性化して始原生殖細胞ができることを突き止めた。試験管内で胚にBmp4を加え培養したところ、体細胞になる部分も含めて始原生殖細胞に成長した。
この手法を活用すれば、iPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)などの万能細胞から始原生殖細胞を作って精子や卵子まで成長させる研究に道が開けそうだ。精子が作れない人など向けの不妊治療などに役立つと研究チームは期待している。
凄すぎる。さすが理研。
ここまで解明されてくると「何でもアリ」になってきそうですね。医療の壁をブチ破って多くの治療法確立が出来る時代に、一歩一歩近づいている予感がします。
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