中世から欧州各地を支配したハプスブルク家のスペインの王朝(1516〜1700年)断絶について、近親婚の繰り返しで発症する遺伝子疾患が原因だった可能性が高いとの説を同国の学者チームがこのほど、米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表した。
スペイン・ハプスブルク朝最後の王カルロス2世(1661〜1700年)は体が小さく病弱で内臓疾患や血尿に悩んだ。2度結婚したが性的に不能だったとされ、世継ぎがないまま死亡。仏ブルボン家にスペインの王座を渡す結果となる。
この王の16世代にわたる祖先や血縁者3000人の系図情報を基に、スペインのサンティアゴデコンポステラ大学の遺伝学者らが近親婚のリスク度を示す「近親交配係数」を計算したところ、係数は初代カルロス1世の父親の0.025から代を重ねるごとに上昇、カルロス2世では10倍の0.254に達した。
同王朝の結婚11例中9例は近親婚で、カルロス2世も両親がおじとめいの関係だった。頻繁な近親婚は劣性遺伝子を発現させやすく、「2つの異なる遺伝子疾患(下垂体ホルモン欠乏症と遠位尿細管性アシドーシス)の同時発症」がカルロス2世を襲ったと遺伝子学者らはみている。
王という絶対的な存在という以上、中世の頃は結婚相手もそれ相応の人でなければならなかったのでしょう。
そうすると遺伝的に異常がある場合、疾患として発現しやすくなりますからね。
日本も例外ではなく、天皇家などは結構遺伝的に危ないのかもなぁという説はありますね。民間から受け入れ始めたのは、天皇家の長い歴史からみればごく最近のことですし。劣性遺伝子のない人と結婚し続ければ問題なく繁栄すると思いますが。
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