1991年千葉大会の男子シングルス王者の43歳、パーソン(スウェーデン)が引退を示唆した。
バックハンドの強打を武器にいまだに世界ランキング19位の実力者だが、この日は19歳の水谷と対戦し、動きに精彩を欠いて0−4と完敗。「彼は才能ある選手だ」と笑顔で語った。
さらに「大会後、少し休もうと思う。あす正式に話す。将来的なことは分からない」と淡々と話した。
20歳の若さをもつ水谷と、43歳のパーソンの試合。
いやはっきり言って水谷の卓球センスは神がかっていますけれど、パーソンの卓球センスはその上をいくと思います。
今日の試合も、若い水谷相手に全く引けを取らない打ち合いの応酬。そして何よりここまで高齢になると、いわゆる「オッサン卓球」になりがちなのに、パーソンにおいてはそれが全然感じられない。
水谷が得意のロビングを上げ始めると、ロビングを上げているほうのペースを崩すような天才的プレイを行ったりしていました(短くストップするとみせかけていきなり強打とか)
全盛期にはそのバックハンドの強烈さゆえにコブラの異名をもっていたパーソン。しかしやはり寄る年波には勝てないのか、ミスをすることが多くなっているように思います。(43歳で三回戦まで来たのは凄いですし、何より北京オリンピックでも4位という快挙を達成するぐらい、まだまだいける選手ではありますが)
引退はものすごく残念ですが、ヨーロッパの若手育成に尽力したり、時々、日本のファンに顔を見せて欲しいと思います。
ちなみにパーソンを語る上で欠かせないのが、「クアラルンプールの奇跡」といわれる、世界卓球2000inクアラルンプールでの出来事です。
世界最強、盤石の体制だった最強中国との団体戦決勝。スウェーデン側は、既に旬を過ぎているワルドナーとパーソンが出場していました。誰もが中国の圧倒的勝利に終わるだろうと思っていましたが、卓球史上に残る大激戦となり、最後にパーソンが劉国梁に勝利し、スウェーデンの団体優勝が決まりました。
参考:youtube パーソンVS劉国梁 世界卓球2000 クアラルンプール
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