2009年05月01日

豚インフルエンザの感染症に関する情報について

豚インフル 人・人感染

 米疾病対策センター(CDC)は24日、メキシコの豚インフルエンザ患者から採取したウイルスとアメリカの患者のウイルスが一致したと発表した。

 メキシコとアメリカの離れた地域で、同じウイルスの人から人への感染が確認されたことで、流行拡大の懸念が高まってきた。世界保健機関(WHO)は、患者が1000人を超えたメキシコへ、専門家チームを派遣するとともに、25日午後(日本時間同日夜)に緊急委員会を開き、危険度の分析を急ぐ。

 メキシコのコルドバ保健相は24日、豚インフルエンザで死亡した疑いがある患者はメキシコ市、サンルイスポトシ、オアハカ州を中心に68人に増え、うち20人は感染による死亡が確認されたと発表した。メキシコでは例年2〜3月にインフルエンザが流行するが、今年は首都メキシコ市を中心に4月を過ぎても感染や死者が報告されていた。

 一方、米国では、カリフォルニア州サンディエゴ周辺で子供の患者が新たに1人見つかり、テキサス州の患者を含め計8人となった。1人が入院しただけで全員が回復した。

 メキシコで多数の死者が出るなど症状が重いことについて、記者会見したCDCのリチャード・ベッサー所長代行は「ほかのウイルスが同時感染しているなど、何か別の要因が働いているかもしれない。疫学調査が必要だ」と話した。CDCは、警戒体制を強化していく方針。ただ「現時点で、大流行の宣言には時期尚早」とし、当面、メキシコへの渡航制限などの措置はとらない。

 ウイルスの遺伝子解析は、CDCと、メキシコの依頼を受けたカナダの保健当局がそれぞれ実施。メキシコの患者から採取したウイルス検体の5割〜7割近くで、米国で確認されたH1N1型のウイルスと遺伝子が一致した。

 厚生労働省は25日午前11時から緊急記者会見を開き、難波吉雄・新型インフルエンザ対策推進室長は「現段階では、豚インフルエンザが新型インフルエンザになるかどうかは不明。世界保健機関(WHO)が新型と判断した場合、すぐに対策行動計画に移れるよう、関係省庁と準備を進めている」と述べた。

 農林水産省は24日深夜、全国の動物検疫所に対し、生きた豚を輸入する際には豚の状況を観察し、発熱など感染が疑われる場合には、ウイルス抗体検査を行うよう通知した。

 政府は25日午前、首相官邸の危機管理センターに、「海外における豚インフルエンザ発生に関する情報連絡室」を設置した。同日午後、内閣府で関係省庁連絡会議を開く。

豚インフル、想定外の感染拡大

 感染が拡大して、世界的な大流行に発展することが懸念されている豚インフルエンザ。アジアの高病原性鳥インフルエンザを警戒していた各国政府にとっては、想定外の事態だ。メキシコ政府はなぜ、感染拡大を防げなかったのか。そもそも豚インフルエンザとは、どんな病原体なのか。

 「異常なインフルエンザの発生によって、今年に入り、全国で20人が死亡した」。メキシコ保健省がこう発表し、注意を呼びかけたのは4月22日だった。しかし、この時は、深刻なものではないとして具体的な対策は取らなかった。

 メキシコでは例年2月末から3月初めにかけて、季節性インフルエンザが発生する。ところが今年は、首都メキシコ市を中心に4月以降も感染や死者が相次いで報告されていた。

 コルドバ保健相によると、最初の症例が見つかったのは4月13日。メキシコは独自に正体を解明することができず、カナダの保健当局にウイルスの検査を依頼。結果の連絡を待つ間に、感染は約1000人(23日現在)に拡大した。

 23日午後になって、カナダの保健当局などからウイルスの分析結果が届くと、メキシコ政府は急きょ、メキシコ市と隣接するメキシコ州にある幼稚園から大学まですべての教育施設約3万校の休校を決める。

 美術館や博物館などの公共施設も閉鎖し、感染者と接触する可能性を最小限にとどめる「封じ込め作戦」だ。コルドバ保健相は「10日以内には、感染の推移を見極められるだろう」と話しており、公共施設の閉鎖はしばらく続く見通しだ。

 ただ、地元紙ウニベルサル(電子版)は、「カナダの男性がメキシコ旅行から帰国後、豚インフルエンザへの感染が判明した」と報じており、すでに感染は広範な地域に広がっている恐れもある。感染拡大が続けば、周辺国でメキシコへの渡航自粛などの措置が取られる可能性もある。

 日本人にとっても、豚インフルエンザなどというウイルスは聞き慣れない名前だ。新型インフルエンザは、野鳥や家禽の間で流行しているA型インフルエンザが、人間の間で感染する力を獲得して発生するとされる。しかし、豚の間でも、新型になりやすいA型インフルエンザが流行している。

 A型の表面には、「H」(16種類)と「N」(9種類)と呼ばれる2タイプのトゲがあり、それぞれの組み合わせで計144種類に分類される。人間が毎年のように感染するのは、Aソ連型(H1N1)とA香港型(H3N2)の2種類だ。

 これに対し、各国政府が新型に変わるのを最も懸念していたのは、鳥や家禽でまず流行し、アジアを中心に2003年ごろから、人間への感染が増えている高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1型だった。人間は過去に感染したことがなく、免疫を持たないため、若者を中心に感染者の6割が死亡したためだ。

 今回の豚インフルエンザは、メキシコで犠牲者が広がる一方、米国では感染者の症状が軽症にとどまっている。米国のように症状が軽い場合、流行しても季節性のインフルエンザとして医療機関で扱われている可能性がある。

 メキシコでは過去数週間にわたって流行が続いている可能性があり、「人間の往来が激しい現代では、日本にもすでに上陸している可能性がある」と指摘する専門家もいる。メキシコと米国で確認された豚インフルエンザは、ともにH1N1型だった。人間の間で毎年流行するAソ連型と同じタイプだが、日本政府が新型用に準備しているワクチンはH5N1型ウイルスを基にしているため、H1N1型には効果がない可能性が高い。

 国立感染症研究所は日本国内の実態把握を急ぐため、米疾病対策センター(CDC)などから、ウイルスの遺伝子を取り寄せる方針だ。国内のインフルエンザ感染者も調査し、侵入の有無を確認する態勢作りを急いでいる。

 厚生労働省は25日、豚インフルエンザに対応したワクチンを作る場合、通常の季節性インフルエンザワクチンの製造を中止する方針を固めた。季節性のワクチン製造をとりやめると、高齢者を中心にインフルエンザによる死者が増える恐れもある。

 ワクチンに必要な豚インフルエンザのウイルスは、国立感染症研究所が入手に努めており、世界保健機関(WHO)が「新型インフルエンザ」と判断すれば、国の行動計画に従い、ただちに製造準備に入る。しかし、製造には半年ほどかかる見通しで、国民全員分を作るには1年半もかかる。しかも、ワクチン製造には、大量の有精卵が必要で、国内の設備が限られているため、豚インフルエンザ用を作るには、毎年2500万本ほど製造している季節性インフルエンザ用のワクチン製造を中止し、全面的な切り替えが必要という。

 その場合、国内だけで年間1500万人近くが感染し、多い年には1万5000人の死亡に影響を与えている季節性インフルエンザの予防策がおろそかになる恐れがある

 感染研インフルエンザウイルス研究センターの田代真人センター長は「豚と季節性のインフルエンザのどちらが致死性が高く、感染力が強いか、よく見極めて被害を最小限に抑える選択をする必要がある」と話している。

豚インフル、封じ込め徹底せず…メキシコなお旅行客往来

 メキシコ、米国で広がる豚インフルエンザをめぐっては、世界保健機関(WHO)が25日、「緊急事態」と認定する一方、警戒レベルの引き上げを見送り、「脅威」の評価に揺れが見られる。

 発生地メキシコでも航空機が通常通り発着するなど、「封じ込め」は必ずしも徹底していない。その分、日本としては水際でのウイルス上陸阻止が重要だ。

 メキシコで25日発令された「非常事態宣言」は、移動の自由など国民の権利を一部制限してでも、ウイルス「封じ込め」にかける政府の決意を示した。「深刻な事態だが、ともに乗り越えよう」と訴えたカルデロン大統領の言葉には悲壮感が漂っていた。

 しかし、26日も、米国やグアテマラとの国境では通行制限などの措置は取られていない。メキシコ市国際空港では、乗客に質問票が配られ、発熱や頭痛などインフルエンザ特有の症状がある人に旅行を取りやめるよう当局が求めているが、強制的に旅行を中止させたといった報告は1件もなく、ウイルス拡散防止では甘さが目立つ。陸や空からの人の出入りを容認していることについて、コルドバ保健相は、「WHOから国境閉鎖の勧告はない」と述べ、今後の対応もWHOの見解次第という立場だ。

 メキシコ市当局は24日から、レストランやバーを巡回し、10日間の営業自粛を呼びかけている。だが、エブラルド市長によると、まだ3割は通常通り営業を続けている。

 メキシコ市内のカトリック教会は25日、当面ミサを開かないことを決めたが、教会への信者の出入りまで禁じる予定はない。

 一方、メキシコからのウイルス流入を受けた側の米国。米疾病対策センター(CDC)幹部は25日の記者会見で、「広い地域で豚インフルエンザ感染が広がっており、封じ込めることはできない」と、封じ込めは手遅れとの本音を語った。

 WHOの判断が下されるまでの間、日本の厚生労働省は、帰国者らに協力を求めながら、出来る限り水際で国内への侵入を食い止める作戦をとる。

 当面の対策として厚労省が26日に打ち出したのは、メキシコからの帰国者に対する検疫強化。発熱などの症状がない場合でも約10日間、保健所を通じて健康状態を確認する。10日間としたのは、豚インフルエンザは感染から発症までは1〜2日程度と短く、7〜10日程度でウイルスが体内から消えるため。10日過ぎても症状がない場合、感染の可能性はほぼないと考えられるという。

 また、米国からの直行便についても、空港でサーモグラフィーを使って、帰国者に発熱症状がないか重点的に調べる。

 今後、WHOが警戒レベルを引き上げた場合には、感染の疑いのある人を隔離することも検討するという。

 2008年に日本からメキシコを訪れた人は約7万人。メキシコで最初の症例が見つかったのは13日。それ以後の帰国者は相当数に上るが、同省は「搭乗名簿などで特定するのは難しい」として、医療機関などの監視強化や電話相談などで早期発見を目指す。

 電話相談窓口は25日から設置されており、現時点でメキシコや米国から帰国した3人から「発熱などの症状がある」との相談が寄せられ、2人について、引き続き調査を行っている。

 1300人以上の感染者が出ているのにもかかわらず、メキシコ政府が十分な封じ込め対策を取らないのは、WHOが、危険度の警告レベルを上げるべきかどうか、判断を先送りしたためだ。

 新型ウイルスへの変化が懸念されている高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の犠牲者は10〜20代が圧倒的に多い。メキシコの犠牲者も若者が多いと報告され、専門家が想定する新型に共通の性質を備えている。

 ところが、WHOは慎重だった。警告レベルを上げるためには、今回確認された豚インフルエンザウイルス(H1N1型)の感染力と重症度がカギとなるが、メキシコでは多数の犠牲者が出ている一方、米国では感染者が回復しているからだ。

 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「双方のウイルスが遺伝的に同じなのか、医療の差なのか、人の免疫といった人側の要因なのかといった問題が解決されていない」と指摘する。押谷仁・東北大教授は「現時点ではウイルスの感染力と致死率を計算するために必要な感染者総数を把握できておらず、大流行に発展するか判断するのは難しいだろう」とみる。

 警告レベルが現在のフェーズ3からフェーズ4以上に引き上げられると、各国政府は検疫強化や渡航自粛など、ウイルスの侵入阻止対策を取る。岡部センター長は「フェーズを上げるには、(世界経済など)社会に与える影響も考慮せざるを得ない」と話している。

高校生ら11人の感染確認

 ニュージーランド政府は28日、メキシコで3週間の研修を終えて25日に帰国したオークランド・ランギトト高校の生徒ら一行のうち、11人の豚インフルエンザ感染が確認された、と発表した。

 同国厚生省によると、さらに43人に感染の疑いがあり、同省では世界保健機関(WHO)に検体を送るなどして確認を急いでいる。

 同国の外務省は28日、声明を発表し、メキシコへの渡航について「豚インフルエンザ感染の恐れがあり、極めて危険」として自粛を要請した。

 オークランド地域公衆厚生局(ARPHS)のジュリア・ピーターズ医師は「事態は大変深刻で、可能な限りの感染拡大措置を取っている」と述べた。

 オーストラリア政府当局は28日、感染の疑いがある患者数が89人に達したと発表した。政府は27日、空港での水際防止作戦を開始。国内の全国際空港に専門の看護師を配置して感染の疑いがある旅客の隔離や検査を始めたほか、米州からの全旅客機に対して、豪州内に着陸する前に感染の疑いがある旅客を空港に報告することを義務づけるなど、厳戒態勢を敷いている。

 また、豪国営ABC放送によると、豪州赤十字社は、豚インフルエンザの二次感染を避けるため、各支部に対し、メキシコ滞在の有無を献血希望者の問診に加えるよう要請した。自覚症状が出るまでに潜伏期間があることから、過去2週間の滞在が確認されただけでも献血を断る方針だという。

豚インフルの感染・疑い、23か国・地域に

 ニュージーランド政府は28日、11人の豚インフルエンザ感染者を確認したことを明らかにした。

 イスラエルでも同日、感染者2人が確認され、感染者発生が確定した国はメキシコ、米国、カナダ、スペイン、英国とともに計7か国になった。感染の疑いがある人も含めると計23か国・地域に広がった。

 メキシコでは27日、豚インフルエンザが原因と見られる死者は152人に達し、疑い例を含めた感染者は1995人に上った。AFP通信によると、28日、米国の感染者は64人となり、スペインでは2人目の感染が確認された。

 世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補代理は28日、記者会見を行い、豚インフルエンザによる死者がメキシコに集中していることが謎となっている問題に関し、「説明は見あたらない」と述べた。

新型インフル:WHO警戒水準初の4 県、発熱相談センター設置

 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒レベルをフェーズ4に引き上げたのを受け、県は28日、全庁体制の県新型インフルエンザ対策本部(本部長・上原良幸知事公室長)を設置し、同日午後、第1回会議を県庁で開いた。県新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、水際対策の徹底、発熱相談センターの設置など各部局の今後の対応を確認した。

 発熱相談センターは県内6保健所に設置。感染の疑いのある人の相談を受け付け、症例に照らし合わせ、適切な医療機関に振り分けていく。

 県は「感染の疑いがある場合には直接病院に行くのではなく、いったん保健所に電話をしてほしい」と呼び掛けている。

 また、県内で患者が発生した場合、県庁職員の欠勤が最大40%予想されるとして、県民生活に支障がないよう、各部局に業務の選定を指示した。

 上原本部長は「情報収集を徹底し、万全の備えをしたい。国と情報交換しながら、県民に適切に情報を提供していく」と述べた。

 新型インフルエンザの世界的な広がりで、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準を4に引き上げたことを受け、県内でも28日、行政や医療施設が感染防止や患者発生時の診療、検査態勢確認などの対応に追われた。空や海の検疫体制は水際対策を強化。電力、ガス、水道の供給を担う企業も、県民生活を支えるライフラインの維持態勢を確かめた。薬局などではマスクやうがい薬の売れ行きが伸び、予防に向けた意識の高まりも見られた。

 県内で患者が発生した場合に患者を受け入れる感染症指定医療機関の県立5病院では、28日までに全病院で緊急対策会議が開かれ、診療態勢、検査態勢、保健所との連携について確認した。5病院とも病院独自の新型インフルエンザ対応マニュアルは現在準備中だが、これまでに南部医療センター、中部、宮古、北部の各病院で患者発生のシミュレーション訓練を実施しており、県病院事業局は「実際の対応については問題ないだろう」としている。

 協力医療機関に指定されている琉大医学部付属病院は、患者発生時の県立病院の後方支援態勢について話し合った。同じく協力医療機関で、病原体の漏出を防ぐ陰圧病床を20床持つ沖縄病院は30日に訓練を実施する。

 国の症例が定義されていないため、県は暫定的に38度以上の発熱、咳や痰などの症状などがあり、7日以内に発生地域に滞在していた人を感染が疑わしい症例として、各医療機関に呼び掛ける。県と県医師会は実際に県内で患者が発生した場合の医師派遣や医療機関同士の協力態勢づくりについて28日夜に話し合った。

 ウイルス研究、ワクチン開発の国際的権威で、生物資源研究所(名護市)の根路銘国昭所長が開発したセンダン由来のインフルエンザ予防・消毒剤が今月9日、特許を取得した。消毒剤は約8割の確率でインフルエンザウイルスを殺す効果がある。自然素材を使用しているため副作用もない。すべてのインフルエンザウイルスに効力を発揮し、メキシコや米国で猛威をふるう新型インフルエンザに対しても根路銘所長は「十分効果がある」と自信を見せ、秋までの製品、販売を目指している

 消毒剤は沖縄に自生するセンダンの成分を抽出して製造。液状と固形状の2種類ある。根路銘所長によると、インフルエンザウイルスを接種したネズミとセンダン成分とウイルスを混合して接種したネズミを比べた実験では、ウイルスのみを接種したネズミではほとんどが死んでしまい、混合したネズミは8割が生き残ったという。

 根路銘所長によると、インフルエンザはくしゃみや咳でウイルスが空気中に散らばる飛沫感染が多いが、空気中に消毒液を吹き付けると8割のウイルスを殺すことができるという。根路銘所長は「家庭や学校、移動機関など閉鎖空間が感染の危険性が高い。消毒液を使用すれば感染をほとんど食い止められる」と語る。

 新型インフルエンザに関して根路銘所長は「人に感染するということは新型インフルエンザが突然変異を起こしたのでは」と推測し、「ウイルスの基本構造は変わらないので、消毒液は人に対しても十分効果はある」と自信を見せた。特許は2006年3月に申請して9日に取得し、27日に通知が届いた。

新型インフル:成田乗客「A型」陽性 新型疑い例か検査

 新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の警戒レベルが「フェーズ5」に引き上げられた30日、各地の空港などでは検疫態勢が一層強化された。このうち成田空港では、到着した米国機の機内検疫で、日本人女性の乗客1人が新型インフルエンザと同じA型のインフルエンザに感染していることが判明。新型インフルエンザの疑い例かどうか判明するのは5月1日朝の見通しだ。

 成田国際空港会社によると、女性を乗せた米ロサンゼルス発のノースウエスト便(乗客199人、乗員13人)は、予定より約1時間早い午後3時45分ごろ成田空港に到着。厚生労働省成田空港検疫所が機内検疫を実施した。この際、女性が高熱を訴えたため、検疫官が鼻やのどの奥から粘液を採取。約15分で判定できる診断キットで検査した結果、A型インフルエンザと判明した。遺伝子検査でさらに調べている。

 関係者によると、女性から半径約2メートルの範囲にいた約20人については、遺伝子検査の結果が出るまで待機してもらっている。女性が新型インフルエンザの疑い例だった場合、この約20人は空港近くの施設に10日間ほどとどめ、健康状態を観察することになる見通し

 女性は午後8時10分ごろ、検疫官に腰のあたりを支えられながら階段をゆっくりと下り、検疫所の救急車に乗り込んだ。救急車はサイレンを鳴らさずに空港を出発、空港から約10キロ西にある受け入れ先の成田赤十字病院に向かった。

 救急車は成田赤十字病院に午後8時半すぎに到着。同病院によると、検疫所から受け入れの要請があったのは午後7時35分ごろで「A型のインフルエンザの陽性患者が出た」との内容だった。救急車到着後、女性は自力で歩いて病院内に入り、直ちに感染症病床に入院したという。現在は感染症の専門医1人と看護師1人が24時間体制で健康状態を観察している。同病院によると、接触の機会を減らすため、限られた要員でローテーションを回すという。

 女性が救急車で運ばれた後、同機からは残されていた100人前後の乗客が降りた。

 米国に出張していた東京都文京区の男性会社員(29)は「機内検疫が始まって4時間くらいは、詳しい事情が分からなかった。最終的に『熱のある患者がいたが、病院に搬送したので降りていい』とアナウンスがあった」と話した。降機する際、検疫官から「感染している可能性があるので、厚生労働省から指示があった場合には従ってください」と言われたという。



 豚インフルエンザウイルスの恐怖が世界中を襲っています。

 これが未曾有の流行になるのかどうかはまだ分かりませんけれど、インフルエンザに対して知識も対策も兼ね備えている我々は、流行を未然に防がなければなりません。

 そのためにも国民ひとりひとりが自覚をもった行動をすることが大事です。

 主なインフルエンザの流行・発生

 1918〜19 スペインかぜ 死者4000万人
 1957〜58 アジアかぜ 死者200万人以上
 1968〜69 香港かぜ 死者100万人以上
 1977    ソ連かぜ
 1997〜  H5N1型 鳥インフルエンザのヒト感染 死者257人

 〈豚インフルエンザQ&A〉

 Q 人に感染するの          

 A 通常は感染しないが、豚と直接接触した場合、感染することがあった。今回のような人から人への感染の集団発生はこれまで例がなかった。

 Q どんな症状なの          

 A 発熱、せき、のどの痛みという通常のインフルエンザの症状に加え、下痢や嘔吐する場合も多い。幼児や高齢者の発症が多い通常のインフルエンザと異なり、今回は若者の発症が目立っている

 Q 治療薬はあるの

 A 今回は、インフルエンザ治療薬のタミフルは有効だったが、アマンタジンなどは効かなかった。

 Q 予防方法はあるの

 A 現在、人間用のワクチンはない。マスクを着用して、手洗いやうがいを積極的に行うことが大切

 Q 豚肉は食べても大丈夫なの

 A インフルエンザのウイルスは、他の細菌やウイルスと同じように、加熱により死滅する。熱を十分に通して調理すれば、豚肉を食べても感染の心配はない。生きた豚の輸入は、昨年、メキシコからは1頭もなく、米国からも品種改良用の164頭だけだった。
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posted by さじ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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