卓球の世界選手権(個人戦)が28日、横浜市の横浜アリーナで、144カ国・地域協会が参加して開幕した。日本開催は8年ぶり6回目。
初日は予選が行われ、日本男子で史上最年少代表の14歳6カ月、丹羽孝希(青森山田中3年)がまずシングルスに登場。世界ランク426位の丹羽は初戦で格下のタジキスタン選手に快勝した。リーグ戦の残り1試合と29日のトーナメントを経て、128人による本戦出場を目指す。
日本は開催国のため、シングルス出場枠は海外開催のときより2人多い7人で、他の日本勢は本戦から臨む。男子ダブルスの丹羽、松平健太(青森山田高)組などの予選は29日に予定されている。
14歳・丹羽孝希「世界選」1次予選突破!!
スーパー中学生が世界デビュー戦で2勝をマークした。卓球世界選手権は28日、横浜アリーナで開幕。男子シングルス1次予選で、日本男子史上最年少14歳6カ月の丹羽孝希(にわ・こうき=青森・青森山田中3年)が2戦2勝し、29日の2次予選1回戦進出を決めた。2戦目のラシド・オマル(20=UAE)戦では先にマッチポイントを奪われながら逆転する勝負強さを発揮。日本男子に新たなスター候補が誕生した。
勝ちを意識するあまり硬くなっていた丹羽の体に、負けを覚悟した途端、本来の躍動感が戻った。「負けた感じがして、力が抜けた感じになった。自然に手が出ていて、気がついたら勝っていた」。最終第7ゲーム、オマルに8―10とマッチポイントを奪われたところで、得意のリターンがさえた。
相手の左右にボールを振るとフォアでもバックでも強打が返ってくるため「迷ったり、つまったりする」相手の正面に返球を集中。次々と相手のミスを誘っていった。3ポイント連取して11―10とすると、最後も相手の強打がネットにかかった。他テーブルの試合がすべて終わり、海外メディアを含め会場全体の視線が集まる中での逆転劇。14歳が鮮やかな世界デビューを飾った。
世界ランク426位の丹羽は日本勢でただ1人予選からの出場だった。「こんなに大きな声援は初めてだったので、すごく緊張した。どうしていいか分からなかった」と言いながらも、同1568位のフルシェド・サリバエフ(23=タジキスタン)との初戦は4―0で快勝。だが、続く同432位のオマル戦は先に3―1とリードしながら追いつかれ、さらに窮地に追い込まれた。最後は天性の勝負強さを発揮し、ギリギリで手にした1次予選突破だった。
1メートル60センチ、48キロと小柄だが、左利きで抜群のセンスを誇る。卓球台近くに陣取って、球の浮き際を素早く返す速攻が得意。福原愛と同じタイプだ。1月の全日本選手権シングルスでは史上最年少タイでベスト16強入り。将来性も買われ、シングルスの出場7枠のうち最後の1枠に抜てきされた。まだ表情にはあどけなさが残るが「顔に出さないが、とにかく負けず嫌い。トランプをしていても、勝つまでやめない」(父・孝司さん)と年上相手にもひるむことない性格も大きな武器になっている。
29日の2次予選に駒を進めた。「まだ予選の予選。勝っても満足できないです。あしたも全部勝ちます」。予選はあくまで通過点。ロンドン五輪のホープは力強く本戦出場権奪取を誓った。
14歳丹羽が本戦出場決める/世界卓球
男子シングルス2次予選2回戦で、14歳の丹羽孝希(青森山田中)はシモンチク・ヨゼフ(チェコ)に4−1(11−7、11−9、11−7、8−11、13−11)で勝って決勝トーナメント進出を決めた。
世界ランク183位のシモンチクに対し、丹羽は変幻自在のサーブで対抗。指示を送った青森山田の吉田安夫総監督は「サーブが効いていたね。課題はレシーブが受け身すぎたこと」と試合を分析した。丹羽は「本戦出場はひとつの目標としてやっていたので通過はうれしい。本戦ではすべてシード選手が相手なので、とにかく向かっていって勝てればいいと思う」と話した。
凄いヤツの登場だ!!
というわけで、話題の丹羽孝希選手を観に、世界卓球、行って参りました。
いやー、14歳ということで、世界の怖さを知るだけになるかなぁ、これもまぁ経験だからいいだろうと思っていましたが、とんでもない!
もう物凄く強いです。卓球歴7年とは思えないほどの見事な試合でした。
丹羽選手の持ち味は、何と言っても打点が低いこと。相手のボールの頂点で打つのではなく、バウンドして少し上がったあたりを打つ。しかも豪快に。
相手が丹羽選手のフォア側にスピードドライブをぶちかましたとしても、決して下がることなく、カウンターでドライブを決めてくる。フォアだけでなくバックもライジングで打つ。何故そんなスイングが可能なのか、というぐらいのタイミングで打ってます。
ヨーロッパ卓球の選手の繰り出す豪快なドライブの打ち合いにも、14歳の肉体で全然競り負けていない。見事です。肉体のハンデなど全くないかのようです。
そしてサーブ。上手すぎる。相手の老獪な選手がレシーブミスを頻発していました。
丹羽孝希選手、ホント将来が楽しみです。うまく育てれば世界一も夢ではないかも。日本の若手はドイツに留学することが多いようですけれど、むしろ中国卓球っぽいかなという気がしますね。中国に留学して修行を積めば相当いいところまでいくのではないかなと思いました。
また、本日は混合ダブルスも行われ、17歳の森薗美咲と丹羽孝希のペアで試合がありました。
森薗、第3シードペアに惜敗「悔しい」/卓球
丹羽と混合ダブルスに登場した森薗はこの種目のみの出場。シンガポールの第3シードペアにあと1点で勝つところまで追い詰めただけに「格上とやらせてもらえて前進はできたけれど、あと一本だったので悔しい」と残念そう。
森薗が好機をつくり、丹羽が強打で勝負する作戦が的中した。森薗は「世界ランキングが違っても攻めの気持ちでいけば競ることが分かった」。全日本選手権女子シングルス3位と躍進した17歳は初出場の大舞台で手応えをつかんだようだ。
いやー、この試合も見ごたえあった!!
そもそも相手が強すぎました。男子はガオニン、女子はフェンという超がつく強豪(ガオニンが世界ランク25位、女子のフェンが世界ランク6位)ですからね。
正直ガオニン相手にあそこまでドライブの打ち合いになると思いませんでした。丹羽は当然ドライブ打ちますけれど、相手にカウンターされたボールも森薗が打つわ打つわ。この2人、卓球王国の復活の重要な鍵となるでしょう。
試合展開も見事なもので、見ごたえのあるラリーを何度も繰り広げていました。経験も実力もあるシンガポールペアにこんなにも見事に張り合うなんて、凄すぎです。
最後のセットは、やはり相手の老獪な卓球で翻弄されてしまい、ペースを取り戻せませんでしたけれど、十分すぎる結果だと思います。
明日からシングルスとダブルスの一回戦。どこまで勝ち上がることが出来るか、大いに期待したいところです。
▼丹羽 孝希(にわ こうき)
1994年(平6)10月10月、北海道苫小牧市生まれの14歳。元選手の父・孝司さん(38)の指導で、小1で卓球を始める。小6で全日本ホープス(12歳以下)優勝。卒業後、親元を離れて青森山田中に進学。08年世界ジュニア16強。今年3月の東京都選手権では最年少優勝。家族は両親と姉、弟。1メートル60、48キロ。
▼森薗 美咲(もりぞの みさき)
1992年4月16日生まれの17歳。東京都西東京市出身。青森山田高等学校所属。右利きシェークハンド裏表。小学校までは自身の親が経営する美鷹クラブに所属。中学からは青森山田で、単身寮生活を送っている。同校を代表する実力の卓球選手であり、日本ジュニア代表にも選ばれている。弟は卓球選手の森薗政崇 。
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