頭の中で考えた事を、直接「脳」からインターネットの一言ブログサービス「Twitter」に投稿ができる装置を、米国の大学院生が開発した。装置やシステムをさらに改良することで、「閉じ込め症候群」といった、意識はあるが運動機能を失った人々とコミュニケーションできる可能性が高まったと、期待されている。
ウィスコンシン大学マディソン校で生物医学工学を専攻するアダム・ウィルソンさんが開発した装置は、赤い帽子のようなヘッドギア。脳内で考えたことを電気信号として受け取り、コンピュータに送ることができる。
担当教官のジャスティン・ウィリアムズ准教授が装置開発に着手したのは、ラジオで聞いた質問だった。「思ったことがそのままTwitterに投稿できたらすごくない?」という一言を聞いて、「なるほど」と考え、「明日にでもできる」と思いたったという。
ウィルソンさんが数日中に、既存の技術を使って頭で考えたことをTwitterに投稿できるソフトウェアを書き上げ、3月31日に初めて、自分でTwitterに投稿した。
ウィリアムズ准教授は、英国の物理学者スティーブン・ホーキング博士が使う音声合成装置を例に挙げ、脳から直接Twitterに投稿できる仕組みは、既存技術の応用だと説明。ただ、インターネット上のサービスの中でも、Twitterが電子メールなどと比べて、脳から直接投稿しやすいシステムだったことから、開発が容易だったと話している。
Sugeeeeeeeeeeeee!!!
どういう仕組みなのでしょうか。
Twitterというのは、いわゆる独り言のような短文を載せることができるmixiのようなものです。
確かにこの技術はお遊びではなく、記事中にある「閉じ込め症候群」に有用です。
閉じ込め症候群は「locked in syndrome」といわれ、両側橋底部腹側の障害によって起こります。
「閉じ込め」の意味どおり、そのまんまなのですが、簡単に言ってしまうと意識ははっきりしているのに身体が全く動かせない状態です。眼球だけは動かせることが多く、その眼の動きでYES、NOなどの意思疎通は可能となっています。しかし手も足も動かせなければ頭を動かすことすらできません。
ですが意識ははっきりしているわけですから、この機器を用いれば動かなくても文章で意思疎通ができるようになるかもしれない、と。自立することも簡便になるかもしれませんね。
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