16日公表された、米中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA)が2002年に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部のアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者に対して行おうとしていた10種類の過酷な尋問手法。
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米政権下の司法省がCIAに対して、2002年8月1日付けの覚書で、容認できる手法として示したもの。
・attention grasp
尋問官が容疑者の襟首を、両手でつかむと同時に素早く手前に引き寄せる。
・facial hold
柔軟性のある仮設の壁を作り、かかとがその壁についた状態で容疑者を立たせる。尋問官は、容疑者を手前に引っ張った後、壁に押しつける。疑者は肩甲骨を壁に打ちつけることになる。むちうちを避けるため、容疑者の頭部と首は頭巾かタオルで固定する。仮設の壁は、容疑者にショックを与えるため、ぶつかった時に大きな音が出るようにする。
・facial hold
容疑者の頭の両側を手で固定して、頭を動かせないようにする。
・facial slap(insult slap)
容疑者のあごの先から耳たぶまでの間を、指を少しだけ開いた手で平手打ちをし、ショックや驚き、さらに屈辱を与える。
・cramped confinement
容疑者を体の自由が利かないような狭く、暗い部屋に監禁するもの。部屋の広さはさまざまで、監禁時間は立ったり座ったりできる部屋ならば最大で18時間まで、座ることしかできない狭い部屋なら2時間程度までとする。
・wall standing
肉体的に疲れさせることが目的。容疑者を壁から約1.2-1.5メートル離れた場所に、足を肩幅の広さに開かせて立たせる。腕はまっすぐ前方の壁に伸ばし、指先だけで全体重を支えるようにする。動いたり手や指の場所を移動するのは禁じる。
・stress positions
(1)容疑者を足を伸ばした状態で座らせ、肩の高さで腕を上げ続けさせる。
(2)容疑者を床にひざまずかせ、上半身を45度の角度で後ろに反らさせる。
・insects placed in a confinement box
狭い箱の中に、テロ容疑者と昆虫を閉じこめるもの。昆虫は害のない種類とする。(アブ・ズベイダ容疑者が昆虫が苦手だとの情報に基づく)
・睡眠遮断
・水責め
覚書は、これらの尋問手法は「精神的・肉体的に激しい痛みを与えるものではない」ため、拷問ではないとしている。
精神的にダメージを与える拷問ばかりですね。肉体的にはさほどではないにしろ、どれもこれも嫌なものばかり。
最近はメディア等で簡単に報道されてしまうため、尋問といってもこういう肉体に残らないものが多いのでしょう。
昔はむしろ肉体にダメージを与えるような尋問と拷問の中間のようなものばかりだったんでしょうけどね。
本当かどうか知りませんけれど、十年以上前に読んだ落合信彦の小説の1シーンが印象的です。
相手の手足を椅子に拘束し、目隠しをして、その周りを拷問者がゆっくりと歩き、数分ごとにフォークなどの鈍い刃のもので身体を刺す。口を割るまでそれを繰り返し、徐々に刺す間隔を短くしていくというもの。いつどこで痛みを与えられるか分からないという精神的ダメージを与えるとともに、瞬間的に激痛を加えられる。書いているだけでその恐ろしさが体感できそうなぐらいです。