血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の「ベータ細胞」に、甘味を感じる受容体が存在することを、小島至群馬大生体調節研究所長らのチームがマウスの実験で突き止め、米科学誌に7日付で発表した。
受容体が甘味を感知すると、ベータ細胞がインスリンを分泌することも確認されたという。甘味がインスリン分泌を促すことが分かったのは初めて。
糖分のない人工甘味料を使って、この受容体に働く薬を作れば、味は甘く、しかもインスリン分泌も促すため、糖尿病患者に朗報となりそうだ。
チームは、マウスの膵臓内に島状に点在するランゲルハンス島(膵島)を取り出し、中にあるベータ細胞に甘味受容体の遺伝子があることを確認。試験管内で、膵島にスクラロースなどの人工甘味料を添加すると、インスリン分泌が増加した。
面白い。膵臓の受容体すらも「甘み」を感じることができる、とは。甘味って味なわけですから、糖分を摂取するために舌でしか感じないものかと思っていました。まさかの膵臓という臓器に甘味受容体があるとは。内分泌、計り知れないです。
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