2009年04月12日

乳児の拡張型心筋症にペースメーカーを用いた新療法を行う。

乳児の拡張型心筋症に効果 ペースメーカー使う新療法

 長野県立こども病院(同県安曇野市)は3日、心臓移植でしか救命できないケースもある乳幼児の拡張型心筋症の患者に、成人患者に行われているペースメーカー治療を5例実施し、うち4例で退院できるまで回復する治療効果があったと発表した

 同病院は「日本では認められていない小児の心臓移植を回避できる可能性もある」としている。

 同病院が行ったのは、心臓再同期療法と呼ばれる方法で、ペースメーカー(縦約3・5センチ、横約4センチ、厚さ約1センチ)を手術で体内に埋め込む。心臓の右心房、右心室、左心室に電気刺激を与えることで、心不全の改善を目指した

 同病院は2004年9月から今年3月、入院時生後2カ月から13カ月の患者5人に実施。うち男児1人が小学校(2年生)に通えるまでに回復するなど4人が退院した。1人は感染症などで死亡した。

 同病院循環器科の安河内聡部長は「拡張型心筋症は重症な心不全を起こす病気で、薬で改善しないことが多い。こうした治療法もあることを知ってほしい」と話した。



 いわゆる対症療法ですかね。拡張型心筋症という病気はチームバチスタの栄光や医龍などで一躍有名になりました。

 その治療法は心臓移植などですが、日本では乳児に心臓移植することが出来ないので、代替的にこういった治療法の確立がなされたわけです。しかしそれでも小学校に通えるほどに回復するとはかなり劇的な改善ではないでしょうか。

 こういう治療法とともに、心臓移植も認められるといいんですけどね。。。幸運なことに健常に生まれ育った人たちが政治家として今の社会を動かす立場にいて、もしかすると大人になるまで生きていられないかもしれない重篤な病気を抱えた子供を助けられないというか、助ける技術があるのに認めようとしないという部分に、やるせなさを感じます。

 最近強く思うんですけれど、例えば飛行機に乗っていて、1人だけ助けることができるとしたら、そりゃもう小さい子供を助けるべきだと思うんですよね。生きている以上、次の世代を救っていくのは当然だ、と。国を良い方向へ導く可能性のある子供を救わずにいて、どうして医療先進国と謳っていられるのでしょうか。

 この画期的治療の選択肢とともに、心臓移植という選択肢を選ぶことができれば、より多くの子供たちが助けられます。正しい判断を、社会の人々にしてもらいたいと願ってやみません。

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posted by さじ at 02:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環
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