専属医4人が一斉退職した鳥取大医学部付属病院(米子市西町)・救命救急センターの新体制が整った。病院は2日、記者会見し、従来は10人だった医師を13人にするなど体制強化を図ったことを明らかにした。豊島良太院長は「地域住民に不安が生じた点はおわびしたい。院内の応援態勢も整って新体制ができた。期待に応えられるので安心してほしい」と述べた。
センターは3月31日付でセンター長だった八木啓一教授(54)ら4人が退職。補充、再編を迫られていた。
新体制は、センター長に国立病院機構災害医療センター(東京都)の救命救急センター部長だった本間正人教授(46)を起用。ほかに各診療科の助教8、県派遣1、研修医3の医師12人を組み込んだ。救命救急の専門医は鳥取大出身の本間教授のみ。
これと別に1、2カ月間は助教2人を緊急応援要員として確保。7月には2人目の救命救急専門医が着任する。看護師32人は専任制にした。
また、1500万円かけて医療機器を近く更新し、一部施設を改修する計画。
センターは第3次救命救急センターながら、年間患者約1万2000人のうち軽傷で急がない患者が87%を占めているのが実情。このため豊島院長は、センターの負担軽減と第3次機関として充実を図るため、他の医療機関が積極的に患者を受け入れるよう各医師会を通じて要請していることを強調した。
こうやって病院が動いたのも、八木教授一同が退職したためか。「遅すぎる」というのが正直なところでしょう。最初からこのようにしていれば八木教授たちも残っていたでしょうし、より良い救急体制が整っていたのでは。
しかし軽症患者が87%もいるというのは地元住民と地域の医療機関の問題ですね。鳥取大学は最後の砦。重症の患者に対応しなければならないわけですから、軽症患者は他の病院で診てしかるべきです。まぁ他の医療機関が非協力的というのと、患者側も安易に来院するという点でこのようなことになってしまったんでしょうけれども。救急機関の維持・存続のためには周囲の協力も必要です。
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