最新機器を使った医療のシミュレーション教育を推進しようと、岡山大医療教育対策プロジェクトチームなどがこのほど、岡山市駅元町のママカリフォーラムでセミナーを開いた。医師、学生など約80人が最新の医療教育について話し合った。
同チームによると、医学生や研修医は早い段階で診療技術の習得が求められる一方、医師不足などの影響で大学の教員は減少傾向にある。このため、反復トレーニングが可能で効率よく学べるシミュレーター(模擬医療)は新しい教育方法として注目されている。同大では診療科ごとに機器を所有しており、各科を横断するトレーニングセンターを設立する構想もあるという。
セミナーでは、耳鼻科や小児科などの参加者がシミュレーション教育の現状を報告。同大医歯薬学総合学研究科腫瘍・胸部外科の山根正修助教は「例えば(手術後の)縫合の授業は50分しかなく、決して十分とは言えない。シミュレーションは早期に習熟度を高めて、医療の安全性確保に役立つ」と話した。会場には、手術用器具で内臓をつかむ感触を再現した内視鏡手術や新生児蘇生のシミュレーターが並び、参加者は実際に触れて体験していた。
医学とは昔から築かれてきた知識の集合体を受け継ぐことで成長してきました。
教育は必須です。特に大きな病院の医師は多忙を極めますが、同時に学生や研修医、後期臨床研修医などを育てなければなりません。手技のシミュレーションもそのうちの1つ。これからはどの病院でもこういった設備に力を注ぐようになるでしょう。注がない病院は、研修医側から離れていくと思います。教育に力を注がない病院は。
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