今年は出願数が明示されていたため、永遠の謎であった「私立大学は留年させまくっているのか」を明確に解明することができました。今回は、受験者数ではなく、出願数。つまり受験した人プラス留年してしまった人の数と、合格者の割合をランキング分けしてみたいと思います。
なお、帝京大学は出願数と受験者数は変わりませんが、今年は43人留年したという情報を元にこちらのほうで調整させていただきました。
まあこのランキングに意味があるというわけではありませんけれど、国師合格翌日の余興程度に思っていただければ。加えて、各大学に留年という選択肢を安易に取らせない意味も含みつつ。
新卒のみ、総計のみのランキングはこちらから。
医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
それでは参りましょう。
第1位!
滋賀医科大学 100.0
千葉大学医学部 100.0
防衛医科大学校 100.0
留年0人、そして新六年生が全員合格という、まさにパーフェクトを達成した三校です。素晴らしすぎる。生徒のモチベーション、生徒の質、大学の環境、大学の教育、どれが欠けても達成は不可能だと思います。学校全体で誇っていいくらいの快挙です。おめでとうございます!
第4位
東京慈恵会医科大学 99.0
繰り上がりで第4位。東京慈恵会医科大学は留年者0でした。おめでとうございます。確実に強い大学へとなっています。
第5位
東北大学医学部 99.0
奈良県立医科大学 99.0
こちらも留年者0人で繰り上がり。BEST5入り、おめでとうございます!来年度も同じように頑張ってほしいと思います。
では以下ランキング順で。なお、
順位 大学名 出願数 合格者数 合格率
となっております。
7 岐阜大学医学部 77 76 98.7
8 札幌医科大学 100 98 98.0
9 浜松医科大学 97 95 97.9
10 東京女子医科大学 96 94 97.9
11 東京医科歯科大学医学部 86 84 97.7
12 名古屋市立大学医学部 83 81 97.6
13 福島県立医科大学 79 77 97.5
14 大阪市立大学医学部 78 76 97.4
15 日本大学医学部 115 112 97.4
16 熊本大学医学部 103 100 97.1
17 旭川医科大学 101 98 97.0
18 京都大学医学部 99 96 97.0
18 秋田大学医学部 99 96 97.0
20 横浜市立大学医学部 63 61 96.8
21 順天堂大学医学部 93 90 96.8
22 信州大学医学部 90 87 96.7
22 香川大学医学部 90 87 96.7
24 鳥取大学医学部 82 79 96.3
25 新潟大学医学部 109 105 96.3
26 筑波大学医学専門学群 103 99 96.1
26 長崎大学医学部 103 99 96.1
28 弘前大学医学部 102 98 96.1
29 山形大学医学部 99 95 96.0
30 自治医科大学 94 90 95.7
31 神戸大学医学部 90 86 95.6
32 北海道大学医学部 88 84 95.5
33 三重大学医学部 107 102 95.3
34 和歌山県立医科大学 63 60 95.2
35 徳島大学医学部 103 98 95.1
36 琉球大学医学部 100 95 95.0
37 慶應義塾大学医学部 99 94 94.9
38 群馬大学医学部 98 93 94.9
38 大阪医科大学 98 93 94.9
40 愛媛大学医学部 95 90 94.7
41 福井大学医学部 92 87 94.6
42 島根大学医学部 107 101 94.4
43 岡山大学医学部 104 98 94.2
44 広島大学医学部 99 93 93.9
45 関西医科大学 98 92 93.9
46 京都府立医科大学 95 89 93.7
47 東邦大学医学部 94 88 93.6
48 宮崎大学医学部 102 95 93.1
49 九州大学医学部 98 91 92.9
50 山口大学医学部 96 89 92.7
51 鹿児島大学医学部 93 86 92.5
52 大阪大学医学部 100 92 92.0
53 山梨大学医学部 98 90 91.8
54 名古屋大学医学部 95 87 91.6
55 聖マリアンナ医科大学 100 91 91.0
56 東京大学医学部 106 96 90.6
57 富山大学医学部 93 84 90.3
58 佐賀大学医学部 98 88 89.8
58 金沢大学医学部 98 88 89.8
60 北里大学医学部 121 108 89.3
61 高知大学医学部 92 82 89.1
62 東京医科大学 123 109 88.6
63 獨協医科大学 79 70 88.6
64 久留米大学医学部 103 91 88.3
65 産業医科大学 108 95 88.0
66 大分大学医学部 105 92 87.6
67 昭和大学医学部 120 105 87.5
68 杏林大学医学部 91 79 86.8
69 福岡大学医学部 116 100 86.2
70 岩手医科大学 85 73 85.9
71 埼玉医科大学 102 87 85.3
72 日本医科大学 102 86 84.3
73 兵庫医科大学 124 104 83.9
74 東海大学医学部 88 73 83.0
75 近畿大学医学部 111 92 82.9
以下、WORST5です。WORST5を発表する前に…やはり留年者も加えると私立大学が下位に集中してきますね。
第76位
愛知医科大学 115 93 80.9
噂では14人留年ということでしたが、出願者と受験者の差は13人ということでした。新卒編では66位でしたが、留年者数を考慮するとやはりガクーンと落ちてしまいますね。
第77位
川崎医科大学 120 94 78.3
21名が留年したという、帝京大学に次ぐ大量留年を行った川崎医科大学です。新卒編では41位で95.9%と全国平均以上でしたが、それも21人の留年があってこそか。ある意味正解といえば正解な留年のさせ方だとは思いますが。どうしようもないのを野放しにするよりもマシといったところでしょうか。来年これらを解消できるといいんですけども。
第78位
藤田保健衛生大学医学部 124 96 77.4
噂では19人留年、ということでしたが、出願者と受験者の差は17人。新卒のみでも72位とあまりふるわなかった上に、留年者が2桁もいては、まぁこのあたりにランク付けされるか。抜本的な教育改革を行ってもらいたいものです。
第79位
金沢医科大学 115 82 71.3
留年者14名と、上記のようなWORST5の大学に比べれば少ないものの、それでも2桁いってますからね。しかも2桁落としても、新卒のみで最下位という記録。この留年した14名はよほど出来ないんでしょうか。来年は、受かるのでしょうか。果たして。
もうご想像どおりだとは思いますが、、、
第80位 帝京大学医学部 129 76 58.9
留年者43名を加えたところ、恐ろしい数値になりました。1学年129名中、国家試験に合格したのは76名。1学年のうちおよそ4割が免許を獲得できないという・・・。
まとめてみて思ったのは、私大の留年者数は少なくなったとはいえ、まだ一部の大学では2桁にも及ぶ大量留年を行っているのは事実です。しかしこのように留年者数が露呈してしまうと、逆効果になってしまうことも事実。新卒編で1位だった兵庫医大も、留年者数を加えてみれば73位ということが分かってしまいますし。
一番よいのは、留年者を出さないような教育をすることでしょう。全体のレベルを上げる教育を行えているところは、私大や地方国公立とはいえそれほど留年者を出さずに成績も上位です。参考に出来るところを参考にして、せめて医学生としてのレベルを上げてほしいと思います。
もちろん下位の大学出身でも優秀な先生は数多くおられますし、今回不合格になった人や留年した人の中から良い臨床医が育つということも十分に考えられます。ですが、それとこれとは別次元の話。人を診るという覚悟があるのならば勉強すべきだし、医学生のような簡単な程度の勉強すら出来ないで、医者として一生をかけて勉強し続けることなど果たして出来るでしょうか。今やれることを一生懸命やる、そういったことも医者になる人間として求められるモラルの1つです。
<おまけ>
上記のランキングは、新卒編に留年者数を足したものですが、以下のランキングは、総計編に留年者数を足したもの、すなわち新卒+既卒+卒留のランキングです。一応作ってみたので参考までに。
第1位
防衛医科大学校 65 65 100.0
新卒、既卒、全員合格の上に留年者も0人という見事なまでに精錬された防衛医大です。来年も防衛医大が頂点に君臨する予感がします。おめでとうございます!
以下ランキング順です。
順位 大学名 総合出願数 合格者数 合格率
2 東京慈恵会医科大学 108 106 98.1
3 千葉大学医学部 102 100 98.0
4 滋賀医科大学 100 97 97.0
5 順天堂大学医学部 94 91 96.8
6 札幌医科大学 106 102 96.2
7 自治医科大学 95 91 95.8
8 東京医科歯科大学医学部 92 88 95.7
9 横浜市立大学医学部 66 63 95.5
10 和歌山県立医科大学 64 61 95.3
11 日本大学医学部 125 119 95.2
12 岐阜大学医学部 82 78 95.1
13 浜松医科大学 101 96 95.0
14 群馬大学医学部 108 102 94.4
15 筑波大学医学専門学群 107 101 94.4
16 名古屋市立大学医学部 89 84 94.4
17 鳥取大学医学部 88 83 94.3
18 山形大学医学部 102 96 94.1
19 香川大学医学部 94 88 93.6
20 弘前大学医学部 106 99 93.4
21 愛媛大学医学部 100 93 93.0
22 旭川医科大学 114 106 93.0
23 三重大学医学部 113 105 92.9
24 京都府立医科大学 98 91 92.9
25 北海道大学医学部 97 90 92.8
26 福島県立医科大学 83 77 92.8
27 奈良県立医科大学 108 100 92.6
28 大阪市立大学医学部 86 79 91.9
29 新潟大学医学部 122 112 91.8
30 島根大学医学部 117 107 91.5
31 徳島大学医学部 115 105 91.3
32 長崎大学医学部 114 104 91.2
33 東邦大学医学部 112 102 91.1
34 信州大学医学部 100 91 91.0
35 神戸大学医学部 95 86 90.5
36 慶應義塾大学医学部 105 95 90.5
37 宮崎大学医学部 113 102 90.3
37 秋田大学医学部 113 102 90.3
39 広島大学医学部 111 100 90.1
40 東京女子医科大学 109 98 89.9
41 山梨大学医学部 108 97 89.8
42 東京大学医学部 114 102 89.5
42 大阪医科大学 114 102 89.5
44 岡山大学医学部 112 100 89.3
45 山口大学医学部 111 99 89.2
46 京都大学医学部 108 96 88.9
47 富山大学医学部 98 87 88.8
48 東北大学医学部 115 102 88.7
49 大阪大学医学部 110 97 88.2
49 産業医科大学 110 97 88.2
51 聖マリアンナ医科大学 110 97 88.2
52 金沢大学医学部 109 96 88.1
52 関西医科大学 109 96 88.1
54 福井大学医学部 108 95 88.0
55 鹿児島大学医学部 107 94 87.9
56 九州大学医学部 106 93 87.7
57 熊本大学医学部 118 103 87.3
58 佐賀大学医学部 107 93 86.9
59 昭和大学医学部 127 110 86.6
60 名古屋大学医学部 104 90 86.5
61 東京医科大学 143 123 86.0
62 琉球大学医学部 120 103 85.8
63 高知大学医学部 106 90 84.9
64 北里大学医学部 133 112 84.2
65 大分大学医学部 113 95 84.1
66 久留米大学医学部 114 95 83.3
67 杏林大学医学部 101 84 83.2
68 福岡大学医学部 131 108 82.4
69 獨協医科大学 94 77 81.9
70 埼玉医科大学 110 90 81.8
71 兵庫医科大学 141 115 81.6
72 岩手医科大学 94 76 80.9
73 日本医科大学 114 91 79.8
74 川崎医科大学 133 106 79.7
75 愛知医科大学 123 98 79.7
76 近畿大学医学部 123 95 77.2
77 東海大学医学部 111 82 73.9
78 藤田保健衛生大学医学部 145 107 73.8
79 金沢医科大学 136 94 69.1
第80位 帝京大学医学部 160 92 57.5
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「厚労省も私立大の大量卒留を苦々しく思っているので
合格率の分母を6年生の人数にするらしい」
という噂はあったんですよ。
こういう形(出願者数公開)で実現しましたか。
しかし大学によってはそれを見越して出願前に卒業判定を行っているとはね…
新卒者の場合、出願から国試までの数ヶ月で相当伸びるでしょうに。
(それに、どうせ相対評価なので卒留させようがさせまいが一定人数は落ちる)
なお、ネット上の卒留者数情報と(出願者−受験者)の数が少し食い違っているのは、出願前に諦めた休学者がいるためと思われます。
そうすれば合格率かせぎの下らない卒業保留も少しはましになるのに・・
帝京のような抜け道を使わない限り明らかにされるけど。
自分のもってる情報を照らし合わせると
どうもウチの学校は今年は卒業試験での順位と国家試験で落ちた人の順位に相関が薄い感じを受けてます。
大量卒留は卒業生の士気にも関わります。
自分は中の良い友達が留年してかなり国家試験までつらい勉強を強いられましたし
あと卒業試験でパワーを全て使い果たすという面も強いです。
それでもやるならせめて学校側の底上げの努力と
しっかりとしたシステムでの卒業判定を行ってほしいと感じてます。
しかし、一部の大学はその対策として、出願前に卒業判定を行ったり、1〜5年で大量留年させるでしょうね・・・。
私立でまともな入試をしているのは総じて卒業生もまともだ。まともな入試をやっている具体校としては慶応、杏林、金沢医大、近畿、関西医大あたりが浮かんでくる。子供が私立医大を受験する頃になったが、十分吟味して受験するよう勧めている。受験生諸君、私立を併願する時は注意されたし。
入学者がストレートに卒業している人数なら分かるのですが。確かに卒留が多いのは、それまで(各学年)大学はどのように学生を評価し、教育してきたのか。国試合否のみ基準に卒業判定する大学は医師養成教育の質は悪いと言える。
国試合格率の評価は大学教育の熱心さの評価にはある程度なるとは思いますが、医師の適正とはあまり関係ないのでは。
だが医師に絶対必要な「知識」と「生涯学習」の能力は、国試、卒留で分かる。
ほかの私立医大では、寄付金まがいのことをいってくるところもありました。もちろん断りました。
まあ息子さんが卒業したら分かることだよ
他の私大は寄付金を募ってるだけで任意だからね
それは国立大でも同じ
ごちゃごちゃ言いなさんな。
「ばっかじゃないの?」が本音だね。