骨粗しょう症の予防対策づくりに取り組む東北大と仙台大、フィンランド・オウル大などの共同研究グループは27日、仙台市青葉区のアエルで記者会見し、ジャンプを加えた運動の継続が骨密度の向上と発症の抑制に大きな効果があるとの研究成果を発表した。
研究グループは、既に同様の研究をしたオウル大の運動プログラムを参考に、2006年11月から1年間、仙台市内で実験を実施。平均年齢39歳の女性90人を2班に分け、運動が骨に及ぼす関係を調べた。
2班とも約十分の軽運動を週2、3回継続し、1年後の骨密度の変化を測定。運動メニューにジャンプを組み入れなかった班は大腿骨の骨密度が約1%低下したのに対し、100回のジャンプを組み込んだ班は0.7%程度上昇した。
国内の骨粗しょう症の患者は約1000万人で、およそ70%が女性。骨を維持する働きを持つ女性ホルモンの分泌が減ると病気になりやすく、更年期後に発症する例が多い。転倒し大腿骨を骨折するケースも目立つという。
東北大大学院医学系研究科の永富良一教授(運動学)は「食事や薬などの治療法はあったが、予防のための指針はなかった。骨に一定の負荷を与える運動を繰り返すことで、発症を遅らすことができる」と強調した。
研究グループは3月、年齢に合わせた運動プログラムのDVDを制作する予定。広く市民に予防対策を浸透させるため、販売も検討している。
共同研究は仙台市産業振興事業団と、オウル市の産学官共同事業体「オウル・イノベーション社」が750万円ずつ支援。3月22日、オーストラリア・シドニーである国際骨ミネラル学会で研究結果を報告する。
骨に負荷をかける運動を行うことで、骨粗鬆症を予防できるらしい、です。若い人は背を伸ばすためにも骨に負荷のかかる運動をしたほうが伸びるらしいですけれど、骨粗鬆症の人は今の骨量を維持するためにもこういった運動は必要なんでしょうね。
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