静岡県立こども病院(静岡市葵区)は11日、生まれつき心臓の大動脈と肺動脈の位置が逆で、肺動脈には別の異常もあった生後22日の男児の手術に成功したと発表した。
同病院は、国内での成功例は初めてとしている。
手術を受けたのは、同県沼津市の会社員日朝充伸さん(32)、祥子さん(26)の長男で、今年1月7日生まれの龍清ちゃん。
同病院によると、呼吸異常などで同26日に入院。大動脈と肺動脈が逆についているため、血液が正常に流れない「完全大血管転位症」と、肺動脈から通常はない4本の枝分かれがある「主要体肺動脈側副血行路」の合併症と診断された。
同27日と29日、大動脈と肺動脈を正常の位置に付け替える手術を実施、肺動脈の枝分かれもふさいだり、取り除いたりした。経過は順調で2月22日に退院した。
記者会見した執刀医の坂本喜三郎・同病院循環器センター長(50)は「偶然助かったのではなく、計画的治療の成果」と語った。祥子さんは「不安でたまらなかったが、今ではおっぱいも飲んでくれてとても元気。言葉にならないくらいうれしい」と喜んでいた。
素晴らしき、静岡県立こども病院のニュース。
生まれてからわずか22日でも心臓の手術をして成功することができるのはまさしく画期的ですね。健やかに、育ってほしいと思います。
関連
医学処:総肺静脈還流異常症の1176gの男児の手術に成功する。
医学処:世界でほとんど報告のない、重度の心臓疾患の難手術に成功する。