国の研究費補助金を不適正に使用したとして、聖マリアンナ医科大(川崎市宮前区)が、吉田勝美学長を解任していたことが3日分かった。同大によると、他にも教授2人の不適正使用が判明し、総額は約4700万円に上るという。明石勝也理事長らが同日午後、記者会見して発表する。
同大などによると、吉田前学長は03〜07年度の研究費の一部を使い、納入業者から商品券を購入したという。吉田前学長は「研究費は年度末までに使い切ることとされているが、年度内に終了できない状況が多々発生し、緊急避難的に購入した。私的流用は一切ない」と説明している。
昨年11月、会計検査院による公的研究費の使用実地検査で発覚し、同大は内部調査を行っていた。吉田前学長は2月25日の教授会で解任されたという。
聖マリアンナ医大、補助金不正5年間に4千万円…学長は解任
川崎市宮前区の聖マリアンナ医科大学(明石勝也理事長)で、2003年度から5年間にわたり、国の補助金約4000万円を不正に使っていたことが3日、わかった。
昨年11月に会計検査院から指摘を受けて一部が発覚し、同大の調査委員会が調査を進めていた。吉田勝美学長ら3人の教授が関与していたといい、同大は2月25日付で吉田学長を解任した。
この補助金は、厚生労働省の所管で、学術振興の目的で大学の研究者・研究グループなどに助成される。
同大によると、不適正使用が確認された約4000万円は、03年度から07年度にかけて同大に助成された17件の補助金で、単年度で使用すべきなのに、翌年度にも使われたり、事務用品やパソコン用品などの研究用消耗品を購入した際に、名目と実際の品目が違ったりしていたという。
科学研究費不正使用で学長解任 聖マリアンナ医大
川崎市の聖マリアンナ医科大は3日、2003年度から07年度にかけ、吉田勝美学長ら3人の教授が、科学研究費補助金(科研費)など国からの助成金計約4700万円を不正に使用していたことを明らかにした。
同大によると、吉田学長は昨年4月から学長を務めていたが、科研費の不正使用問題の発覚を受け、今年2月25日の教授会で解任された。同大は3日夕に記者会見して説明する。「私的流用はない」としている。
同大によると、科研費などの助成金は年度内に使い切ると定められ、余った場合は国に返還する必要があるが、3人は費用を業者に預けて物品購入などに充てていた。吉田学長だけは、業者に架空の発注をして商品券を受領し、物品を購入していたという。
文部科学省によると、04年度に同大に助成されたリウマチ治療研究の私学助成金約1億円のうち、約2200万円を業者にプールさせていた。
昨年11月の会計検査院の検査で不適切な会計処理が指摘され、同大が調査委員会を設置して調べていた。
吉田学長は「調査の進行中に解任された。内部調査は公平性を欠いている。商品券の購入は業者から提案された」などと反論している。
だいたい国からお金が出ているものというのは繰り越せないものです。そうと分かっていながらもあのテこのテで繰り越そうとする、ひどい状況です。いくら業者がどうのと反論しても、自分が不正をしたことに変わりはないわけで、ただ反省すべきです。
しかし学長になって1年で辞めることになるとは・・・。大学のトップに立つ人物というのは不正を許さないタイプの人でなければなりませんね。いくら私的利用はないといっても…国のお金は国民のお金ですし。
これが道路系の役人とかだったら、年末に無意味な工事をして無駄に税金を使いきるんでしょうけれど、それもまたおかしな話ですよね。返還すればいい。返還すると次の年から減らされたりするらしいんですけど、そのシステムを根底から変えることって出来ないもんですかね。
そういう手法が使えない(使えない、という肯定的な言い方もおかしいですけど)大学で、こういった不正は許されません。ましてや大学の学長ともあろう人が。他に教授も2人不正していたようで・・・新設私立大学の膿はいつになったら無くなるんでしょうかね。
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