2009年02月28日

膵島を効率よく分離する新装置を野村ユニソンが開発する

「膵島細胞」効率よく分離 若年の糖尿病治療に新装置

 金属加工・産業機械製造などの野村ユニソン(茅野市)は、若年層が発症する1型糖尿病の治療法として研究が進む膵島移植に必要な膵島細胞を、ドナーから提供された膵臓から効率よく分離させる装置を東北大と共同開発した。従来は分離の際に酸素が不足して死滅する細胞が多かったが、同社が工業用装置製造で培ってきた中空糸膜(マカロニ状の管)の技術を生かし、酸素を供給することに成功した

 同社は2005年から、同大国際高等研究教育機構の後藤昌史准教授(膵島移植)と、豚などの膵臓を使って実験を繰り返してきた。10年度までに人体への応用が可能な装置を完成させ、臨床試験を経て14年ごろには製品化する計画だ。

 血糖値を下げるインスリンを分泌する膵島は、膵臓に島状に点在。人間の場合、膵臓全体の1%程度の約1グラムある。膵島移植では、脳死や心停止となったドナーから摘出した膵臓に、膵島細胞を分離するための消化酵素を含んだ溶液を注入。温度を保ちながら溶液を循環させる。

 分離して溶液に混ざる膵島細胞は一般に、約1時間かかる循環の過程で酸欠状態になり、死滅するものも多い。開発した装置は、酸素を透過する直径約2ミリの中空糸膜の中に溶液を通すことで酸素を取り込めるようにした

 膵島移植は海外では1970年代に始まり、脳死での臓器提供が主流の米国などで盛んだが、国内では04年に京大病院が初めて実施。開腹手術でなく点滴で移植するため患者の負担が軽いとされる

 移植に取り組む医師らでつくる膵・膵島移植研究会(事務局・福島県立医大)によると、これまで60例以上の膵島分離が行われたが、必要な膵島細胞を確保するために、患者1人に最大3人のドナーから提供されているという

 提供はほとんどが心停止後といい、後藤准教授は「心停止後は(酸素が供給されない時間が長く)臓器が傷んでいるので膵島分離には不利。新しい装置は(脳死移植が少ない)日本の移植環境では必要になる。1人の患者に必要なドナーを減らしていきたい」、野村稔社長は「1型糖尿病は子どもの時に発症する人が多い。さらに実験をして信頼性を高め、治療の役に立ちたい」と話している。



 膵島移植。インスリンを分泌してくれる膵島を取り出し、移植する方法ですが、点滴でよいというのが最大のメリットでしょうね。肝臓の門脈から点滴の要領で入れるだけですので、レシピエントにとっては非常に楽です。もちろん普通の移植と同じように、免疫抑制剤は使うんですけれども。

 日本では脳死移植がなかなか定着しそうにないので、この新しい技術を用いた膵島移植こそ、日本に馴染む膵臓移植の形なのかもしれません。

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posted by さじ at 17:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植
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