35歳以上で初めて子供を産んだ女性が産後精神病になる確率は若い母親の2倍以上との研究結果をスウェーデンのカロリンスカ研究所が明らかにした。
同研究所は1983年から2000年までに国内で初めて子供を産んだ母親約75万人の調査データを基に、35歳以上で初出産した母親が出産後90日以内に産後精神病になる率は19歳未満で初出産した母親の2.4倍だと指摘した。
産後精神病は重い精神疾患で、妄想、幻覚、過食、睡眠障害などを伴ったり、自殺傾向がみられたりし、生まれた子供に危険が及ぶ恐れもある。このため、薬の投与や入院などの措置を直ちに取る必要がある。
同研究所によれば、初出産した母親の8割は精神的不安、軽いうつなどを経験するものの、産後精神病になるのはおよそ1000人に1人。また、精神病になる女性の大半は以前に精神病の病歴があるが、産後精神病になる女性の約50%は精神病での入院歴がないという。
同研究所は一方で、喫煙や父親不在といった要素が産後精神病の発症に影響することはなかったほか、糖尿病を患っていたり、高体重児を出産したりした場合は産後精神病になる率が低かったとしている。
誰でもなるもんだとは思いますが、喫煙の有無、父親不在といったリスクになりそうな因子があっても、産後精神病の発症には関係ないとする点や、糖尿病、高体重の子供を出産した場合にはむしろ低くなるという点が不思議ですねぇ。
出産後も含めて、周産期のケアを施すのも、これからの医療の形かもしれません。もちろん看護師や助産師などを中心とした新しい形を全国的に普及できれば、少なくとも一人で抱えることはないかな、と。
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