2009年02月25日

なぜインフルエンザは冬に大流行するのか。

インフルエンザが冬に大流行する理由

 なぜインフルエンザは冬に大流行し、夏には跡形もなく消えてしまうのか。この謎は数十年にわたって伝染病学者らを悩ませてきた。

 だが、この問題にもついに答えが出されるときが来たようだ。最新の研究によると、インフルエンザウイルスは絶対湿度が低いときに存続しやすく、したがって人から人へも感染しやすいことが明らかになったという。つまり、外気が冷えて乾燥していると感染が起こりやすいことが確認されたのだ。

 「インフルエンザと湿度に関する研究はこれまでにも行われてきたが、いずれの研究でも相対湿度の方に焦点が当てられ、何の関連も見出されていなかった」と、研究を率いたオレゴン州立大学のジェフリー・シャーマン氏は話す。

 同氏の研究チームは、過去の研究でもデータは取られたものの見過ごされていた絶対湿度に注目し、再検討を行った。その結果、絶対湿度とインフルエンザには非常に有意な因果関係があることが判明した。「絶対湿度条件に基づいて考えると、ほとんどの変化に説明がつく」と同氏は語る。

 インフルエンザウイルスが絶対湿度の低い環境を好む理由ははっきりしないとしつつも、同研究チームでは、最も感染の広まりやすい病院や診療所などで絶対湿度を上げることを推奨している

 ハーバード大学の伝染病学者マーク・リプシッチ氏は、この研究について次のように述べている。「インフルエンザの感染拡大に関わる一種のメカニズムの解明において、偉大な一歩を踏み出したといえるだろう。この先の研究では、1年を通じて絶対湿度の高い熱帯地方と温帯地方における拡大スピードの比較が重要なポイントとなる。温帯で季節ごとに起きる流行のサイクルだけでなく、季節を問わず、かなりの被害をもたらしているとみられる熱帯のインフルエンザのサイクルについても説明がつけば申し分ないのだが」。



 湿度は大事ですね。昔からそれは分かっていたことではありますが。人間側が湿気によって予防されているのではなく、インフルエンザ自体も存続ができなくなっていたということらしいです。

 冬はご家庭でも、加湿器を。
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posted by さじ at 00:04 | Comment(3) | TrackBack(0) | 感染
この記事へのコメント
素人だからよくわかんないんですけど
インフルエンザって湿度に弱いといわれてるのに、なんで人体に入って活発になれるんでしょうね
喉とか、鼻の奥とか、ちょうど夏の気温や湿度に似てそうじゃないですか
昔からずっと疑問です
Posted by 時々読ませていただいてます at 2009年02月27日 12:13
ウイルスというのは、生物と非生物の中間といわれています。というのも、ウイルス単体では増殖も何もできませんが、他の生物の細胞に入り込むことで自己を増殖することができるからです。

で、なんで乾燥してるとよくないかというと、単純に重さの問題だと思います。ウイルスは空気中でふわふわ浮いていますが、特に湿気があると、ウイルス自体の重さが重くなって、床に落ちるので気道に入りにくい。逆に乾燥しているとふわふわ飛んでいるので気道に入りやすい、という問題かと。

マスクをするといいっていうのも、呼気中に含まれる水分がマスクにつくことでウイルスの進入を防止しているとか何とからしいですよ。あいまいですみません。ハリソン内科学にいいこと書いてないかなーと思ったんですけど書いてませんでした。
Posted by さじ at 2009年02月27日 13:34
長年の疑問が一気に融けた思いです
ありがとうございました

じゃあ…
ツバ飛ばしながら機関銃のようにしゃべってたら、浮遊してるインフルエンザを撃退できそうですねぇ
かわりに、しゃべり疲れて寝込むかもですが
Posted by おお!なるほど at 2009年02月27日 16:14
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