2009年02月21日

心筋に中性脂肪が蓄積する「中性脂肪蓄積心筋血管症」

心筋症:中性脂肪原因、大阪大病院など発見

 心臓に中性脂肪がたまり重い心不全を起こす新しい病気を、大阪大病院の平野賢一病棟医長(循環器内科)らが見つけ「中性脂肪蓄積心筋血管症」と名付けた。心不全の多くは原因不明だが、一部はこの病気の可能性があるという。

 国立循環器病センター、浜松医科大との共同研究。平野医長らは、原因不明の心不全のため大阪大病院で心移植を受けた男性患者の、もとの心臓を調べた。すると、心筋細胞の中に、通常ならわずかなはずの中性脂肪が大量に蓄積。心筋の一部は壊死していた。

 心筋は通常、食事などから取り込む「中性脂肪」を分解することでエネルギー源の7割をまかなう。この患者は、心筋同様に中性脂肪をよく使う上腕の筋肉にも中性脂肪がたまり萎縮して動きにくくなっていた

 中性脂肪を分解する酵素の遺伝子を調べると、生まれつきの異常があり分解できずに中性脂肪が蓄積することも分かった。心臓の冠状動脈にも中性脂肪が蓄積し、動脈硬化が起きていた。

 動脈硬化は従来、コレステロールが原因とされ、中性脂肪で起きた例の確認は初めて。

 平野医長は「中性脂肪で動脈硬化が起きている人が他にもいないか、検討が必要だ」と話している。



 ほー。これ凄い。新しい疾患の発見です。

 医学は進歩してきたとはいえ、まだ「原因不明」とされているものは数多くあります。というか半分近くがよくわかってないことのような気もします。

 心筋は中性脂肪を使う。しかしその中性脂肪を使えないような遺伝子異常があったとしたら、それは蓄積し、最終的に動きが悪くなり、心不全のような状態に陥ってしまう、のでしょう。

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posted by さじ at 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環
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