食用キノコが、グレープフルーツジュースが薬剤を変化させる作用を中和すると、USDAの研究者らが報告している。
グレープフルーツジュースはおいしいだけでなく、身体にも非常に良い。抗酸化物質や他の有用な化合物を豊富に含んでいる。癌や心疾患の防止に役立つ可能性すらあるというエビデンスが存在する。
しかしグレープフルーツジュースには弱点がある。多くの汎用薬剤を身体が排泄するために必要な肝酵素を阻害する種類の化合物を含んでいるのである。このグレープフルーツと薬物の相互作用は、薬剤による副作用のリスクを上昇させる。
USDAの研究者Kyung Myung, PhDらは最近、ある非食用の真菌が、グレープフルーツと薬物の相互作用の原因となる化合物を何らかの形で吸収することを見出した。
今回Myung博士のチームは、Morchella esculentaという食用キノコ(別名アシボソアミガサタケ)にも同じ作用があることを見出した。そして程度はそれよりやや劣るが、他の食用の真菌にも同様の作用がある。これまでのところ、そのリストには、ヒラタケの変種、紅麹、さらには一般的なかさの小さなキノコが含まれている
USDAの研究者らはキノコを浸漬し、華氏250度(121℃)まで加熱して菌を死滅させた。次にキノコをすりつぶして真空濾過したものを、新鮮なグレープフルーツジュースまたは濃縮還元グレープフルーツジュースと混合した。
試験した最高濃度において、すなわち1.7オンス(50ml)のジュースに大匙約3分の2のアシボソアミガサタケを加えたとき、標的化合物の大部分がグレープフルーツジュースから除去された。他の真菌ではそれよりも小さな効果が認められた。
別の実験で、キノコがグレープフルーツジュースに含まれるすべての好ましくない化合物を除去するわけではなかったことが明らかになった。処理後のジュースと肝酵素との相互作用は依然としてオレンジジュースよりも大きかった。しかし処理後のジュースには未処理のグレープフルーツジュースの約半分ほどの活性しかなかった。
グレープフルーツジュースに含まれる成分は、薬物代謝酵素のシトクロムP450を阻害する作用を持っています。よって例えば免疫抑制剤などを服用したときに、グレープフルーツジュースを飲むと、身体で薬の成分がいつまでも代謝されず、ときに効きすぎてしまったり副作用がでたりします。
このキノコの成分をうまく使えばそのデメリットも解消されるのかもしれません。味については記事中でも保証していないようですが。笑