国内で心臓の移植手術を必要とする子供の患者は約50人。日本では15歳未満の臓器提供が認められていないため、海外での移植「渡航移植」に頼っているのが現状だ。しかし、WHO(=世界保健機関)は5月にも「移植に必要な臓器は自国で賄うべき」との指針を承認する見通しで、渡航移植は今後、制限される可能性が出てきた。
多くの日本人患者を受け入れているアメリカでも、臓器は慢性的に不足しており、臓器移植ネットワークは外国人への移植を全体の5%に制限している。臓器移植支援団体のブライアン・スチュワート氏は「各国の政府は、国民の利益を最優先に行動を取るべきです」と話す。
イギリスの患者団体も「イギリス人が移植を待っているのに、外国人が移植を受けている」と批判している。
このような中、日本の医療現場は危機感を強めている。現地時間6日に、心臓移植手術を受けるためアメリカ・ロサンゼルスに到着した山下夏くん(7)の主治医で日本移植学会理事・布田伸一医師は「『勧告を受けるべきだ』と指針に従うところは出てくると思います。『海外に行けません、日本でもドナーが出ません』で、患者さんに対してどういうふうに治療するんですか、ということ」と話した。
夏くんは現地でドナーを待つことになるが、今後、海外での移植はさらに厳しさを増すことになりそうだ。
そりゃ現地の人からすれば当然でしょう。正直このWHOの制限は、臓器を高値で買いあさっている日本人に向けて発表されたようなもののような気がしてなりません。
日本で臓器移植が進まないのは宗教観だとか自分の臓器についてどう考えるかとかいろいろあるんでしょうけれど、根底にあるのは無関心だと思うんですよね。
そもそも法律上、15歳以上でなければ臓器提供してはいけないというふうに決められているせいで、日本の赤ん坊は外国へ臓器を買いに行く。それも1億以上かけ、「美談」として。
アメリカ人からすれば怒り心頭でしょう。なぜ金持ち日本人がわざわざアメリカまできて臓器を買いに来るのかと。自分の国でやれと。どうやら日本ではそもそも子供の臓器提供が認められていないらしいと。オワットルと。
そしてWHOからもクレームがつき、ここで日本がどう動くのか。本来なら他国からどうのと言われる前に変えるべきなんでしょうけれどね。
無関心と言うか、欧米人とは関心を持つベクトルが違うんじゃないでしょうか。
米国では脳死と診断された青年が臓器摘出寸前に中止になってその後意識回復したり、あちらで脳死診断された日本人が帰国後に意識を回復したりと、日本ならば和田移植みたいな大騒動になりそうな事があってもあまり気にせず、粛々と臓器提供して移植してますよね。