2009年01月29日

医学ちょっといい話12「根路銘国昭氏の話」

238 音速の名無しさん 2009/01/28(水) 05:47:21 ID:c82jBkYi0
1993年、日本にアジア太平洋地域インフルエンザ・センターが作られた。

それまでアメリカ、イギリス、オーストラリアにしかなかったセンターが
日本に設置されることになったのは、なぜか。

インフルエンザ・ワクチンは、毎年、WHOの専門家会議で、データをもとに今年流行しそうな
インフルエンザを決定し、それに基づいて製薬メーカーがワクチンを作っている。
それまで日本はその元になるアジア各国の膨大なデータを収集し
WHOに送付する仕事だけをやっていた。

担当していた根路銘国昭氏は、これだけの仕事をやってるのに、
日本にインフルエンザ・センターがないのはおかしいとWHOに手紙を書いた。
それに対する返事は
「WHOも国連の安保理と同じで第二次大戦の戦勝国で構成している。
よって日本は入れない。」というものだった。
彼はさらに抗議の手紙を送ったが返事は同じ。
それどころか、WHOに批判的人物として、彼と日本に対し冷淡になったという。

ここで普通の日本人ならどうするだろうか。
なんとか謝罪して、今までどおりの扱いにしてもらおうと努力するか、
そもそも抗議など最初からしないかもしれない。

だが根路銘氏は違った。
なんと、日本が集めていたアジアのデータを1年間、WHOに送るのをやめたのだ。
インフルエンザの大半はアジアから発生するから、そのデータがないと
ワクチンが作れない。WHOは大騒ぎになったという。

そして翌年、根路銘氏にWHO専門家会議への招待状が来た。
その会議で、日本にアジア太平洋地域のインフルエンザ・センターを
作ることが決定され、彼が初代センター長に就任することになった。

こうしてインフルエンザセンター長になった根路銘氏だが、
WHOはアメリカの製薬メーカーの意向を受けた学者が力を持つ世界だった。

1993年フランスで開かれた国際会議で、アメリカが新開発した
生ワクチンを、まず日本で使うべしという議題があがった。
日本は生ワクチンの効果には疑問をもっていて既に使わなくなっていた。
根路銘氏は、「日本を実験台にして、うまくいけば各国で使うつもりだろう」
と感じたという。
その会議には日本の学者も数十人参加していたが誰も反対しなかった。

根路銘氏ひとりが、「日本は先進国であり、ワクチン政策に君たちの指導を
必要とする国ではない」と反論した。
そこでアメリカの学者に、君たちのデータをOHPで映してほしいと頼んだ。
そして日本のデータと比較すると、日本のワクチンの方が明らかに効果があるとわかり、他の学者からも「ネロメの方が正しい」
と意見があがった。
こうしてこの議題は流れ、日本人がモルモットにされるのを防いだ。

根路銘氏はこうも言っている。
「この会議の後、対立したアメリカの学者とすごく仲良くなった。日本人同士だとこうはいかない」

またジュネーブのWHO本部で12人の専門家によるワクチン決定の投票において、
アメリカのワクチン11票、日本のワクチン1票でアメリカ製に決まった。
もちろん1票は根路銘氏のものだ。根路銘氏は科学的に見てこの結果はおかしいと
閉会30分のコーヒーブレイクのときに、2日間の討議で使った110カ国のデータを
つき合わせてコンピュータにかけた。するとアメリカ製は日本の半分しか効果がないと出た。
彼はこの結果を見せて、居並ぶ学者たちに
「君たちは政治家か、科学者か。科学者ならこのデータをどう見る」
と問いかけた。すると議長がテーブルを2回たたいて
「私の判断で採決を取り消します。ドクターネロメが提案した日本の意見に従います」
と結果をひっくり返した。「まるで映画のようだった」と根路銘氏は言う。

関連
医学処:医学ちょっといい話11「筋ジス患者の笑顔を永遠に」
医学処:医学ちょっといい話5
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posted by さじ at 00:52 | Comment(21) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
勇気と信念のある人がいるんですね。。。
孤軍奮闘の根路銘氏に続く科学者がいますように。
イイ話!
Posted by bubu at 2009年03月22日 05:28
アメリカがいかに信用ならないか、これも一種の判断材料ですね。利権至上なやり方。効果なんて二の次。
Posted by at 2009年04月28日 22:48
沖縄の根路銘医師 素晴らしいですね。
尊敬します

それにしても、国際会議に同席していた日本の学者数十名。金と権力におもねる奴等だね。
情けない
Posted by at 2009年04月28日 23:40
東京の科学者ならこうは出来ないのでしょうね・・・沖縄ならではの気骨でしょうか。
Posted by at 2009年04月29日 19:59
東京なら・・・
関西なら・・・
沖縄なら・・・

なんでいちいち土地で分けて考えるバカが増えてるんだろうね?
すごいかどうかが問題で、何処で生まれたとか何処で育ったとか、
何処で学び何処で研究したとか関係ないだろ

こういう人相手だから血液型判断とか売れ続けてるんだろうね
Posted by at 2009年04月29日 20:39
沖縄と本土はお互いに嫌いだから、そういう意見が出るんだろね。
海はあんなに綺麗なのに・・・。
Posted by at 2009年04月30日 03:44
かっこええ(´Д`;)ハァハァ
Posted by at 2009年04月30日 08:26
つか、科学者ならちゃんと突き詰めてから決めろよな
こんないい加減なやり方でWHOの方針決めんのかよ
Posted by at 2009年04月30日 21:41
もっと日本ががんばれば国際的地位はあがりそうな気がするが。
Posted by gbc at 2009年05月01日 08:55
いいお話なので引用させて頂きました。
Posted by 妙 at 2009年05月01日 10:19
何で沖縄なんか強調する必要が有るんだか。
Posted by at 2009年05月01日 20:45
今、一番日本らしさが残っている県は沖縄県だとテレビ番組の女性レポーターが言ってたけど、あれは本当だったのか。
Posted by とめ at 2009年05月02日 17:59
沖縄は中国ぽい。外見だけでなく性質も似てるのは過去が由来してるらしいけど。
Posted by at 2009年05月02日 23:26
>その会議には日本の学者も数十人参加していたが誰も反対しなかった。

日本人がモルモット扱いされるって時に、なんて情けない...。
Posted by   at 2009年05月09日 20:49
地元の新聞みて根路銘先生を知ったけど、以前から知る人ぞ知る有名な人だったんですね。
日本人で、そして同じ沖縄県民に素晴らしい人がいてうれしいです。
あと十歳若かったら同じ道を目指すだろうというくらい感動した。
Posted by たま at 2009年05月12日 02:33
2010.10.22.NHKラジオ深夜便番組の中の演説再録で、この立派な学者を知った。マスコミはこういう人の紹介報道をもっとすべきだ。
Posted by 谷浦 鉄雄 at 2010年10月23日 05:39
10月22日のラジオ深夜便で根路銘さんのお話伺った。
勉学にも学問にも地域差・経済格差・人種格差があり言わば何らかのパワー格差があり本来の実力と関係ないにもかかわらず虐めがあることを話して下さった。
体験談であり実に感銘した。
沖縄人も歯を食いしばり努力すれば世界に打って出れる才能がある証明をして下さった。
何よりも喧嘩する勇気が大事であり、人のために働くという根本的考えが身についていなければならない。
また勝つためには周りを納得させるだけの論理を尽くし実力を蓄えていなければならない。
日本学者同士の足の引っ張り合いや政治力の行使、強いものにはまかれろ、など卑怯怯駄な心理文化を指摘されていた。立派な人がまだまだ日本に少ないが存在していると感動した。
本来はこんな人こそ医学生理学か平和のノーベル賞をもらえるはずだが…
ノーベル賞そのものが実力と関係ないところで決められている胡散臭い賞なのでしかたないか。
埼玉の佐々木
Posted by 埼玉の佐々木 at 2010年10月23日 08:31
変化の流動過程を実体として向き合い、万物は必ず変化をする。変化しない万物は地球上に存在しない!月日及び歳月により構成している地球に取り巻く器質に並んだ気質的条件に変革を成し遂げたと私は実感いたします。忘れてはならない人の存在のアピールと申しますか?皆さんの正直なコメントに心を打たれました
Posted by みか at 2010年10月24日 12:16
昨日テレビで根路銘先生のこのお話をやっていました☆
こういった人達のおかげで今の日本があるんだなって思います。根路銘先生のような強い意志を持ち大胆な行動のとれる人達がもっともっと日本で増えていってほしいですね!きっとそうすればまだまだ日本も発展していけるはずだと思います☆
Posted by どあらちゃん at 2013年02月18日 17:32
凄い・・・。
こういう人に侍魂を感じるわ。
Posted by at 2013年09月11日 00:43
ここのコメント欄に、しれっと沖縄県は中国に近いなどと書いている奴がいるが、そいつはいわゆる日本解体工作員だろ。沖縄県のどこが中国に似てるんだ?似てないよ。中華街もない。百貨店の中国の物産フェスタとか中国京劇なんてどこの都道府県でもやっている。首里城は赤いが、んなこと言い出したら赤色の神社やその鳥居やお寺なんて全国どこにでもあるだろう。日本国の1県である奈良県には「唐招提寺」まであるのに。どこのコメント欄に行っても、日本解体工作員みたいなのがいるんだな。関東vs関西だとか、九州vs東北だとか、そんなのを煽る奴ら。そのテの日本解体工作員はこんなとこにもしれっとコメント残すんだよな。北は北海道から南は沖縄県までみな日本なんだよ。遠い昔、東北から西南に南下して、熊本宮崎鹿児島を通って南の島々を開拓した主に縄文系の当時の集団が沖縄県の人々の祖先。日本人。日本のあらゆる掲示板で、いまっだに東北蝦夷、近畿大和、九州熊襲みたいな感じでしれっと違いを強調する書き込みとかよく見られる。何を今さらって感じ。その「解体工作書き込み活動」たるや執拗だよ。ここのサイトを見ていらっしゃる皆さんも気を付けて。南は沖縄県から北は北海道まで、やたら地域性の違いを強調するコメントやそれとなくその意図をしれっと書き残しているコメントがあったらそれは日本解体をもくろむ工作員の書き込みだから。
Posted by 47都道府県 at 2017年05月29日 12:54
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