2009年01月26日

脊髄損傷の患者にES細胞を用いる世界初の治験を行う。

ES細胞 初の治験へ 米で承認 脊髄損傷患者に注入

 米バイオベンチャー企業「ジェロン」(カリフォルニア州)は23日、人間の胚性幹細胞(ES細胞)を応用した治療の臨床試験を、世界で初めて行うと発表した。

 脊髄損傷で歩けなくなった患者に、ヒトES細胞から作製した細胞を脊髄に注入、神経系細胞を再生させる

 AP通信によると、臨床試験の第1段階は今夏に開始。損傷から1〜2週間の患者8〜10人を対象に、中枢神経を保護する細胞に育つ細胞を注入する。治療の安全性を確かめるのが目的だが、マヒした感覚や運動機能の回復など、治療効果も同時に調べる。同社は、ラットなどの実験で治療の安全性や効果を確かめ、臨床試験の実施を米食品医薬品局(FDA)に申請。今週、承認が下りたという。

 岡野栄之・慶応大教授(生理学)の話「今回の承認は、再生医療全体にとって大きな一歩になる。ジェロンは長年にわたり動物実験を行い、安全性や有効性をきっちり確認している。日本で同様の臨床試験を進める際に、安全性を判断する参考になるだろう」



 漠然としたイメージながらも、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞を、神経の途切れ目(損傷部位)に入れてやって、うまく神経同士をつなげる糊のような役目をしてくれれば、運動神経や感覚神経のネットワークを再び取り戻せる気はしますね。

 実際に臨床で応用できるのか、というと、まだまだ未知数ですが、成功する確率はかなり高いのでは。

 脊髄損傷などのように社会的に大きく関係する疾患は、積極的にこういった治療法を取り入れてほしいですね。

 実際に研究レベルでは、再生できるジャンルは結構増えているんでしょうけれども、実際に人に行うとなるとほぼ100%近い安全性だとか副作用の考慮などがあげられますからね。臨床的に日本に普及するようになるのはもうしばらくかかりそう。

関連
医学処:腎臓を作れない受精卵にES細胞を注入したら丸ごと再生される
医学処:ダウン症候群の治療のためにES細胞を利用する。
医学処:胚性肝細胞(ES細胞)から大量の赤血球を作ることに成功する。
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posted by さじ at 03:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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