2009年01月22日

てんかんの原因遺伝子「EFHC1」のノックアウトマウスを作成

てんかん原因遺伝子異常による発症をマウスで確認

 全身の激しいけいれんなどでソクラテスの時代から知られるてんかんは、世界の全人口のおよそ3%が一生を通じて一度は発症する頻度の高い神経疾患です。

 発作症状は多種多様で、原因を特定することを難しくしていますが、その多くには遺伝的背景(複数の原因遺伝子や症状修飾遺伝子の存在)が指摘されています。「若年性ミオクロニーてんかん」は、思春期に発症し、起床時に頻発するミオクロニー発作、強直間代発作などを特徴とする、最も発症頻度の高いてんかんのひとつで、てんかん全体の7 〜9%を占めるとされています 。

 理研脳科学総合研究センターの神経遺伝研究チームは以前(2004年)、この若年性ミオクロニーてんかん患者で変異が多く見られる「EFHC1」遺伝子を発見し報告しました。今回、研究チームはこの遺伝子のノックアウトマウスを初めて作製し、このマウスがミオクロニー発作やけいれん誘発剤に対する高い感受性など、てんかん患者と類似の症状を示すこと、さらには脳室壁の上衣細胞繊毛の運動機能の低下などいくつかの特異的な異常症状を示すことを明らかにしました。

 今まで同定されたてんかん原因遺伝子の多くがイオンチャネルを暗号化しているのに対し、EFHC1遺伝子のそれはイオンチャネルではないことや、EFHC1が最も頻度の高いてんかんで多くの変異が見られる遺伝子であることなどから、今回の成果は、EFHC1遺伝子の変異が引き起こすてんかんばかりでなく、てんかん全体の発症メカニズムの理解にもつながり、さらには今後、治療法の開発・改良にも大きく寄与することが期待されます。



 てんかんも、偏見が根強い疾患の1つですねぇ。残念なことですが。

 要するに脳の電気刺激が、少し異常になってしまった結果、けいれんなどを引き起こす疾患です。

 よくてんかん発作で倒れた人がいたら、舌を噛み切らないように口にハンカチを入れるなどの応急処置をしたほうがいいと思っている人もいますが、それは誤りです。

 てんかん発作は大抵は数分で自然におさまるものなので、吐いたもので誤嚥しないように、顔を横に向けること、安静にさせることが大事です。けいれんを起こしても舌を噛み切ることはないので、口に何か入れたりしないようにして下さい。

 押さえつけると余計に止まらないこともあるようですので、落ち着いて対応しましょう。

 てんかんだからといって知能が低下するとかそういうわけではなく、小さい頃のてんかんは思春期になると結構治ってきますからね。無問題です。ドストエフスキーもてんかんでしたし。

医学処:てんかん治療薬「ゾニサミド」がパーキンソン病にも有効
医学処:映画「バベル」を鑑賞し、光刺激によって体調不良に。
医学処:てんかんやパーキンソン病の頭部保護具をオシャレに。
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posted by さじ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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