英オックスフォード大学の研究者による実験によりテトリスはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に効果があることが学術専門誌「PLoS ONE」に掲載された論文により明らかとなった。
この論文発表を行ったのはオックスフォード大学精神神経学科のエミリー・ホームズ(Emily Holmes)博士を中心とする研究グループ。
研究グループはボランティアの被験者に対して精神的動揺を与えるような飲酒運転事故によって怪我を負った人の映像を30分間に渡って見せた後で、今度は10分間、TVゲームをプレーさせるという実験を実施。その結果、テトリスが一番、事故映像によるトラウマ軽減に役立ったとしている。
ホームズ博士はテトリスの単純な映像と音の繰り返しが、脳内の記憶域にあるトラウマ映像の崩壊につながったのではないかと述べている。
ホームズ博士によると同等な実験からオンライン・ロール・プレイング・ゲーム「World of Warcraft(ワールド オブ ウォークラフト)」はコミュニケーション能力の向上に効果があるとも述べている。
テトリスというゲームはかなり奥が深いらしく、もう軌跡が見えないほどの早いスピードでもプレイすることが出来るとか。
あと、「テトリスハイ」という心理状態も存在するようです。もしかするとPTSDに効果があるという点も、テトリスハイが関係している?(プレイ時間10分程度では起きないと思いますから、やはり単調な作業が利いているのかも)
『テトリス』に慣れ、瞬間的な判断・操作を数多くこなすようになると、次第に思考が自動化されてくる。ゲームが進むにつれ、テトリミノは次第に高速で落下し、もはや目にも留まらぬ速度で落下してくるのであるが、数十分から数時間もゲームが続けられるようになるのである。
人間の脳はこのような状態に置かれると、一種の催眠状態となり快感が引き起こされる。この快感は「テトリス・ハイ」と呼ばれ、ときには中毒的にもなる。
ちなみに、日本大学教授の森昭雄はこの中毒的な状況を元に、『テトリス』などのコンピュータゲームを行なっているプレイヤーの脳波の特徴が痴呆(認知症)患者のそれに似ているとして「ゲーム脳」仮説を提唱した。
しかし、これは科学的根拠に乏しい点が多いことや、コンピュータゲーム以外の作業も、慣れればゲーム脳と同様の状態になるといったゲームに限定された現象ではないとする指摘もあることから、専門家の多くはこの仮説を支持していない。
さらに、森は各地の講演で「『テトリス』はソ連の軍隊で人を殺すための教育の一つとして開発されたもの」と発言しているが、これは事実ではない。逆に、このゲームを用いて資本主義国家の生産能力を落とすというデマが流れたこともあった。
テトリスを長時間やりこむことで、周りの箱状のものがテトリスに見えてきたり、テトリスのような図形が落ちて行く夢や幻覚を見ることもある。これはテトリス効果と呼ばれる。
参考:wikipedia テトリス