新型万能細胞(iPS細胞)を成長させた細胞を肝臓に注入することによって血友病を治すことに、米ネバダがん研究所などがマウスを使った実験で成功した。
血友病の根本治療につながる成果で、米科学アカデミー紀要電子版に13日掲載された。
研究チームはマウスの尾の皮膚からiPS細胞を作製。内皮の元になる細胞まで成長させたところ、血を止める成分が分泌されていることを確認。この細胞を血友病のマウス6匹の肝臓に注入した。その結果、注入したマウスは尾を切って出血させても、人間なら20年間にあたる3か月間も生きた。一方、細胞を注入しなかった血友病のマウス6匹は2〜8時間で死んだ。
血友病Aは、第VIII因子の欠損、血友病Bは第IX因子の欠損です。肝臓に注入することで、不足していた凝固成分を自身で作り出し補うことができるようになる、ということでしょうね。すごい技術です。
性染色体であるX染色体上にある、血液凝固因子の第VIII因子、第IX因子をコードする遺伝子に変異が入ることによって引き起こされる。伴性遺伝。劣性遺伝子であるため、X染色体が二本ある女性の場合には、もう一方のX染色体に異常がなければ機能が補完されるため、発症する事がない。そのため血友病患者のほとんどが男性であり、女性は全血友病患者の1%以下である。かつては血友病遺伝子は致死遺伝子と考えられていたが、女性患者の存在が確認されているため、現在では致死遺伝子であるとは考えられていない。
基本的には遺伝病であるが、突然変異により非保因者の女性から血友病の子供が生まれる場合もある。実際には血友病患者の25%前後が、家族歴が不明の突然変異と言われている。ただし母親の保因/非保因の検査、判断が難しく、最終的にはDNA検査を要する。
参考:wikipedia
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