2009年01月13日

ダイエット薬、塩酸フェンフルラミンに有害作用。

ダイエット薬「塩酸フェンフルラミン」の生産・販売・使用を差し止め

 ダイエット薬品の塩酸フェンフルラミンを飲むと、心臓弁膜障害などの有害作用が起こるという監視結果があったため、国家食品・薬品監督管理局は1月8日、緊急に塩酸フェンフルラミン原薬と調合剤の生産、販売と使用を差し止め、塩酸フェンフルラミンを購入した患者に対し、残りの薬を購入価格で購入先の病院や薬店に返品できると表明した。

 ダイエット化学薬として、塩酸フェンフルラミンは主に、単純性肥満患者や糖尿病、高血圧、心臓血管疾患、不安障害にかかる症候性肥満患者に用いられる食欲抑制剤だ。中国では現在、塩酸フェンフルラミン錠というただ1つの品目だけがあり、30社以上がこの薬の許認可番号をもっている。

 国家食品・薬品監督管理局の顔江瑛報道官は8日の定例記者会見で、「国家薬品不良反応監視センターの監視結果によれば、塩酸フェンフルラミンを飲むと、心臓弁膜障害、肺臓動脈高圧、心不全、心拍急速、動悸、胸部不快感、めまい、血尿、皮疹、吐き気などの薬害が起こる」と指摘した。

 顔江瑛報道官は、「国家食品・薬品監督管理局は、専門家を組織してこの品目を全体的に評価しているところだが、国内外の監視資料によれば、ダイエットに使用すると、この薬は危険性が効果を超える」と示した。

 大衆が薬を飲む際の安全を確保するため、国家食品・薬品監督管理局は、「薬品管理法」と「薬品管理法実施条例」により、塩酸フェンフルラミン原薬と調合剤の中国での生産、販売と使用を差し止め、その許認可証明書を撤廃することにした。市場で出回った薬品は生産企業にリコール責任を持たせ、所在地の薬品規制当局監督の下で廃棄あるいは処分するという。



 うまい話はないものですねぇ。

 フェンフルラミンは、食欲抑制剤としてイギリスやフランスでは承認されている医薬品ですが、日本では承認されていません。アメリカでは過去に承認されていましたが、1997年に使用禁止となりました。

 フェンフルラミンの構造は、フェネチルアミンの骨格を有しています。この構造は覚せい剤であるアンフェタミンと類似しており、鎮咳薬としてまた覚せい剤原料として用いられているエフェドリンの構造とも類似しています。フェンフルラミンの作用は、中枢神経を興奮させ、満腹中枢を刺激することによって食欲が抑制されるといわれています

 日本で承認されている食欲抑制剤でマジンドールという医薬品がありますが、フェンフルラミンと同様に中枢神経興奮作用を持っており、向精神薬に指定されています。向精神薬は薬局で手軽に購入できる薬ではなく、医師の監視のもとで使用される薬です。フェンフルラミンもこれと同様の取扱いの注意が必要な薬ですが、日本では販売できません。

 このような薬が1996年に痩身を目的とした健康茶の中に混入されていることが明らかとなり、全国的に自主回収や販売中止などの措置が執られました。しかし最近になって、また健康茶中にフェンフルラミンが検出されたという事例がでてきました。フェンフルラミンが検出された健康茶のほとんどは、茶葉中にフェンフルラミンが白い顆粒や粉として混ざっており、肉眼でも明らかにわかります。フェンフルラミンの検査は、これらの白い顆粒や粉を分取し、赤外吸収スペクトル分析計やその他の分析機器で確認・同定を行います。そして最後に健康茶中のフェンフルラミンの含量を高速液体クロマトグラフ等を用いて定量します。2002年には、健康茶以外に数種の中国製健康食品の中にもフェンフルラミンが含有されていることが報道されました。当所においても、健康食品として売られていた錠剤の中にフェンフルラミンが検出されました。


参考:横浜市衛生研究所

医学処:処方せん不要の脂肪吸収抑制やせ薬「アライ」がアメリカで大人気。
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posted by さじ at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化
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