国際医療支援団体「世界の医療団」(本部・パリ)は7日、アフリカ東部エチオピアで08年9月に誘拐された同団体の日本人医師、赤羽桂子さん(32)が無事に解放されたと発表した。外務省も在ケニア大使館を通じて赤羽さんの解放を確認した。
解放の詳しい経緯は不明だが、医療団がパリで8日午前11時(日本時間午後7時)に会見して明らかにするという。
同医療団の声明によると、赤羽さんは現地時間の7日昼、一緒に拘束されたオランダ人男性看護師ビレム・ソールズさんとともに解放された。2人は08年9月22日、エチオピア東部ソマリ州で医療活動を終えて帰る途中、武装集団に誘拐されたあと、ソマリアに連れ去られ、10月5日から首都モガディシオ市内で軟禁されていた。
外務省によると、赤羽さん解放の一報は日本時間の7日午後9時ごろ、同医療団からソマリアの隣国ケニアの日本大使館に入った。同日午後11時半ごろ、岩谷滋雄・駐ケニア大使が首都ナイロビの空港で赤羽さんを出迎え、無事を確認した。
外務省の説明では、赤羽さんは足取りもしっかりしており、大使が「赤羽さんですか」と声を掛けると、「はい」と答えたという。赤羽さんは現在、ナイロビ市内で健康状態について検査を受けている。解放交渉で身代金が支払われたかどうかについて同省は「答えられない」としている。
赤羽さんは長崎大大学院医歯薬学総合研究科に在籍し、医師歴7年。08年4月から同医療団で、治療や薬品配給に当たっていた。
赤羽さんを誘拐したグループは当初、エチオピア政府に対し、拘束中のソマリア人350人の釈放を要求。後に囚人釈放を断念し、身代金要求に切り替えていた。
この事件は当blogでは取り上げてきませんでしたが、解放されたので一応。
日本でも僻地医療の問題などありますが、世界に視野を広げてみて、医師や薬剤が圧倒的に足りないような国に行って治療を行いたい、と考える医療従事者は案外多いです。学生のころに熱意を持っていて、医療従事者として修行を積んで、実際に発展途上国に赴く人はガッツあるなと思います。現実をみてヒヨって行かなくなる人も多いですからね。
世界の医療団の第一の使命は「治療する」こと
世界の医療団は、国籍、民族、宗教、思想、人種などのあらゆる壁を乗り越えて世界中の最も弱い立場にある人々を救う目的で活動を続けている。 その援助対象は、自然災害・武力紛争・政治的抑圧などの犠牲者、疾病(風土病、伝染病、エイズ)に苦しむ人々、難民、避難民、少数民族、ストリートチルドレン、医療から除外された全ての人々など多岐にわたる。
世界の医療団の二つ目の使命は「証言する」こと
正義のない治療はなく、社会の掟のない持続的援助はあり得ない。効果的にその支援活動を実施するべく、世界の医療団は医療を超えた「証言」という手段に訴えている。いかなる政治的・イデオロギーにも拠らない独立した立場において、医療へのアクセスの妨げとなっているもの、人権や尊厳を侵害するものを、医療を通じて証言している。 さらに、単に医療に留まらず、医療アクセスの障害となっているもの、人権ならびに人間としての尊厳の侵害を証言し、世論に訴えるアドボカシー活動も世界の医療団の重要な使命のひとつである。
参考:wikipedia 世界の医療団