2009年01月05日

膿胸治療中に誤って肝臓を刺し4時間後に失血死する。

過って肝臓刺し失血死 茅ケ崎市立病院、警察に届けず

 神奈川県の茅ケ崎市立病院呼吸器外科で9月下旬、患者の胸部に特殊な管を差し込む際に過って肝臓を刺し、患者が失血死していたことが病院側への取材で分かった。病院側は「出血は、通常の手術を行った結果、起きた合併症」として過失を否定、警察に届けていなかった。

 病院側の説明によると、死亡したのは60代後半の女性で、「気胸」を患っていた。肺の穴から空気が漏れ、肺と肋骨の間のすきま(胸腔)にたまって呼吸が苦しくなる病気で、同病院で春から9月までに3回の手術を受けた。胸腔にウミがたまる「膿胸」を繰り返していたという。

 このため、呼吸器外科の医師が、「ドレーン」と呼ばれる管を胸の表面から挿入してウミを出そうとしたところ、挿入口から血液があふれ出した。ドレーンの先端の針によって肺の下にある肝臓が傷つけられており、4時間後に出血によるショックで患者は死亡したという。死亡は、仙賀裕院長らに報告され、市幹部にも報告された。病院内の医療事故などを扱う安全管理委員会で、「重症の合併症」と判定され、警察に届ける必要はないと決めたという

 失血死を重症の合併症としたことについて、安全管理委員長の望月孝俊・副院長は「担当医からの聞き取りや、カルテを調べた。医療の世界では、今回のような出血は、一般的に行われる医療行為、手術を行った時に起こる合併症とされており、ミスではない。止血の措置もちゃんとやっていた。家族にも原因を説明し、警察に届けないでいいと言われた」と説明している。



 一番理想的なのは、こういう異状死があった場合にはすぐに警察や法医学者に届け出ることなんですけどね。事件の疑いがあるというか、死因を明確にするためにも。

 法医学の重要性や、必要性が再認識されはじめています。もし国の予算がちゃんと下りて、死因究明センターが配置された場合は、こういう重度の合併症とやらも、異状死であれば全部届けられる時代になってくると思いますね。医者を守るためにも必要ですし、患者が医療事故を究明するためにも、必要ですから。

医学処:警察庁が、解剖医の育成協力を法医学会に要請する
医学処:日本法医学会、全国に死因究明医療センターの設置を提言する
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posted by さじ at 22:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 呼吸
この記事へのコメント
フジテレビで法医学を志す医学生のドラマが始まりますね!

一気に人気出るかもしれませんね!(いい悪いはわかりませんが)


Posted by ヒーリング at 2009年01月06日 00:37
ヒーリングさんコメントありがとうございます!
どうですかねー。過去には「きらきらひかる」など
法医学モノで大人気だったドラマはありますが
法医学やりたいという若者が少しでも増えてくれるとうれしいんですが
Posted by さじ at 2009年01月08日 00:30
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