医師不足で地域医療の存続が危ぶまれる中、徳島県が二〇〇九年度から新たに取り組む医師確保対策がほぼ固まった。県内勤務の義務年限を終えた自治医科大学(栃木県)出身の医師を三年の期限付きで県職員に採用、うち一年を国内外での研修に充てることができる制度を新設する。産婦人科・小児科の後期研修医に月十万円の研修資金を貸与し、将来、県内で勤務すれば返済を免除する制度もスタートさせる方針だ。
県出身の自治医大卒の医師は毎年二、三人。卒業後は県職員として原則九年間、県立病院やへき地診療所などでの勤務を義務付けられている。ただ、十年目以降の勤務先は自由に選択できるため、四人に一人は県外へ流出している。新制度は、義務年限後も県内にとどまる医師を増やすのが目的。
新制度では任期三年のうち二年は県立海部、三好両病院やへき地診療所で勤務するのが条件。残りの一年は症例数の多い大規模病院などでの研修が可能で、専門医としてのスキルアップに役立ててもらう。
研修資金貸与の対象は、二年間の初期臨床研修を終えて徳島大学医学部で産婦人科、小児科の専門医研修を受ける医師。貸与期間(最長三年)の一・五倍の間、県内の公的病院で勤務すれば返済が免除される。県は制度創設に必要な条例改正案を、県議会二月定例会に提出する準備を進めている。
また、県内の地域医療を担う医師を総合的に養成する施策も推進する。医師を目指す高校生対象の「地域医療現場体験セミナー(仮称)」を開催するほか、徳島大医学部の学生に対する修学資金貸与の定員を〇八年度の二人から五人に増やす。
初期研修医の確保対策では、研修医を受け入れている県内八病院や県、県医師会などでつくる「臨床研修連絡協議会(仮称)」を設置。▽県外で開かれる研修医合同説明会へのブース出展▽研修医や指導医対象のセミナー開催▽医学部生への情報発信−などに取り組む。
〇八年度に始めた「とくしま医師バンク事業」の新たな試みとして、国際協力に関心がある医師を「ドクターバンク医師」に採用し、任期三年のうち一年は海外で医療活動に従事できるようにする。再就職を希望する女性医師は非常勤職員として、現場復帰に向けた研修を県立中央病院で実施する。
勤務医不足が続く海部病院の診療支援については、ベテラン医師三人と交渉を進めている。
徳島県の人口十万人当たりの病院勤務医師数(〇七年)は一八四・一人で高知、福岡に次いで三番目に多いが、三分の二が徳島市など県東部に集中。南部、西部は医師不足が深刻化している。今春から県立三好、麻植協同の両病院が相次いで分娩を休止するなど、産科医不足が顕著になっている。
自治医科大学卒の4人に1人が県外へ行ってしまうというのは由々しき事態ですねぇ。自治医科大学って、県に定着させるために存在しているようなもんでしょう。なぜ入学時に分かりきったコンセプトなのに、卒後こうして県外に出てしまうのか。
それほどまでに魅力的ではなかったということでしょうか。
どうせなら10年以降も制約をつけるとかしないと・・・。それでも医者になりたいっていうガッツある人は多いと思いますよ。最近じゃあ、卒後すぐに親がン千万すぐに返還して、子供を自由にしてしまうケースもあるとか。本末転倒というか、一種の裏切り行為みたいなもんなんで、そういうことはやめてもらいたいですね。学費返済じゃなくて、違約金2億とかにすればいいのに。
本当に医者になって地域の役に立ちたいと考えていても、あのツマラン受験勉強ゆえになかなか医学部に進学できない子らを自治医にいれたほうがよっぽど国のためだと思います。往々にしてそういう子らは、受験勉強はやらなくても医学部での勉強は他の人よりもやると思いますんで。
医学処:自治医科大学卒業生の地元定着率は7割
医学処:医学部全体に、僻地などへの地域勤務枠を設け、授業料を免除する
医学処:弘前大学医学部の県定着枠、10人に増員する