流産を繰り返し起こす原因となる遺伝子の一つを、藤田保健衛生大総合医科学研究所の倉橋浩樹教授(臨床遺伝学)らのグループが突き止めた。これまで習慣性流産(不育症)は大半が原因不明だったが流産の可能性を科学的に予測、効果のない不妊治療を避けることも可能になるという。成果は24日の米国の医学誌(電子版)に掲載される。
ヒトは卵子、精子をそれぞれ生成する際に46本の染色体を23本ずつに分ける。マウスを使った研究で、卵子の染色体数を分けるのにかかわる遺伝子に変異があると、染色体の異常を起こしやすいことが分かっていた。
倉橋教授らは、ヒトの染色体で同様の働きをする遺伝子「SYCP3」に注目。原因の分からない習慣性流産の女性26人についてSYCP3を調べたところ、二人に変異が見つかった。正常な出産だった150人でSYCP3を調べると異常はなく、SYCP3の変異が習慣性流産の一因と結論づけた。
倉橋教授は「今回、遺伝子に変異が見つからなかった習慣性流産の患者に別の遺伝子変異が見つかる可能性もあり、さらに研究が必要」と話す。
3回以上流産を繰り返す習慣性流産は、全妊娠の1−2%ある。
おおー。流産は母体の因子がらみが結構ありますけれど、これも遺伝子として現れるんですねぇ。今後は、まずこの遺伝子を検索することも、不妊治療のひとつになるときが来るのでしょう。
医学処:24歳以下の妊婦ほど、妊娠中の喫煙率が高い。
医学処:受精卵の遺伝病を調べる着床前診断は出生率が低い