2008年12月30日

保険適用外の材料費を患者から寄付という形で募ることが禁止に。

診療時の寄付依頼廃止

 県立医大(福島市)が、大動脈瘤治療を受けた患者から、公的な医療保険が適用されない材料費を研究費名目の寄付金として受け取っていた問題で、同大の学内調査の結果が25日発表された。寄付は2004年度-08年度の5年間に、74人から計約2443万円にのぼった。同大は「寄付は任意で、混合診療にあたらない」と、国が原則禁止する混合診療に当たらないとの認識を改めて示したが、来年度からは、患者や家族に対し、医師が直接寄付を依頼してきたこれまでの方法を改める考えを明らかにした。

 新たに寄付が判明したのは、生体肝移植を行う外科学第一講座や、膵臓がんの免疫療法を行う内科学第二講座など4講座。同大によると、保険が適用されないウイルスの再発を抑制する薬剤や、がんを排除する力を強める細胞の培養の費用で、「患者のための最善の医療と判断したケースだった」としている。全体でみれば、保険適用外の治療を受けた患者のおよそ半数が、1回につき3万-163万円の寄付をしたという。

 同大は、保険適用外の治療を行った場合、これまで寄付の説明を診療時間内に行ってきたが、治療費を患者に請求している印象を与えかねないとして、来年度からは、すべての患者に対し、退院時に事務職員が行うことを明らかにした。一方で、寄付が減ると、保険適用外が多い最先端医療に影響が出るため、チラシを学内に張ったり、ホームページを充実させたりして寄付を募る方針

 同大で記者会見した丹羽真一副理事長は、今後も、法人などから例年寄せられる寄付金約4-5億円を充てるなどし、「患者にとって最善の治療は、(保険適用外であっても)可能な限り引き続き行っていく」と話した。

 一方、混合診療の疑いについて調べている東北厚生局は、今後も寄付台帳の確認や聞き取り調査を継続し、事実確認が終わり次第、厚生労働省と協議して何らかの判断をする方針。



 まあ混合診療になってしまうかどうかっていうのが問題なんでしょうけれども

 そもそもこういう治療は、患者にとって明らかに有益だから寄付という形にしてまで医者はやりたい、と思っているわけですからね。どういうことかというと、要するに役人の保険承認が遅すぎるのがいけないわけです。

 医者にとってはこんなリスクを踏みたくないわけですよね。患者さんにとって最良な医療を提供すると病院側が赤字になるというのはおかしな話ではないでしょうか。今の「福祉」って、病院側や医療者側が自己犠牲することで成り立っているにすぎないと思います。
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posted by さじ at 17:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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