ワサビの辛み成分が脳の神経細胞の再生を促し、記憶力や学習能力を改善させる。こんな効果を名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授が、マウスを使った実験で突き止めた。人の認知症予防につながると期待される。
岡嶋教授らはこれまで、人の胃や腸の知覚神経がトウガラシの辛みや熱さ、痛みの刺激を受けると、全身の細胞の増殖を促進するタンパク質「インスリン様成長因子−1(IGF−1)」が多く作られ、認知機能が改善されることを解明していた。
今回は、ワサビでも同じメカニズムが働くかどうかを調べた。
実験は、ワサビの辛み成分「6MSからし油」をマウスのえさに混ぜ、4週間食べさせた。記憶や学習機能にかかわる脳の海馬でIGF−1の濃度を調べたところ、濃度が2−2・5倍に増加。増殖した海馬の細胞数も、通常の2−3倍に増えていた。
水を張ったプールでマウスを泳がせて浅瀬を見つけるまでの時間を比べ、ワサビを与えたマウスは初日の80秒が、5日目で30秒に短縮。
与えていないマウスは5日目でも60秒かかり、浅瀬の場所を覚える能力の向上が見られた。
一度に大量のワサビを食べると体調を崩すこともあるが、岡嶋教授は「計算では、人間も1日にワサビ12・5グラム(刺し身に添える時の5人分)を食べれば、同程度の効果が出るはず。脳だけでなく全身で細胞の再生が促進され、認知症予防以外にも、血管拡張や骨密度強化など多彩な効能がある」と話している。
単純に刺激になるんですかね。全身の細胞の再生が促進って、すごいこと言ってるような気がする・・・。
まあ、唐辛子のような辛さに比べるとワサビの辛さは独特な感じですよね。あの清涼感をもった辛さは世界ひろしといえどなかなか。
でもワサビ12.5Gか・・・。罰ゲームシュークリーム1個ぶん?でも効果はあるようなので受験生など、いかがですか?
医学処:注射液の起こす痛みはワサビの刺激と同じ仕組み。
毎日新聞 3月20日(火)2時2分配信
名古屋市立大は19日、老化防止研究などの論文に改ざんや捏造(ねつぞう)があったとして大学院医学研究科の原田直明准教授(44)を懲戒解雇、監督責任者として岡嶋研二教授(58)を停職6カ月の処分にした。名市大の調査専門委員会によると原田准教授は熊本大研究生時代(05年)の1本を含む計8本の論文で過去の実験画像を新しいものとして使ったり、画像に手に加えたという。原田准教授は「論文作成中に、仮に作成したものを誤って使ってしまった」と説明しているが、調査委は信用できないと判断した。
監督の教授停職 岡嶋教授が責任著者を務めた論文19本で画像に手が加えられたり、他の実験画像の流用が判明した。調査委議長の今川正良副学長は「岡嶋教授の不正関与を裏付ける証拠はなかったが、本人が不正に気づいていなかったとは考えられない」と述べた。
処分された2人は育毛や老化防止、認知症予防に役立つ物質を研究。学外から指摘があり、昨年3月から調査委が調べていた。戸苅創(とがり・はじめ)学長は「研究機関としてあるまじきことで大変遺憾。早急に再発防止に努めたい」とのコメントを発表した。【河出伸】