北海道大は16日、塩野義製薬(大阪市)と共同研究で肺がんや膵臓がん、リウマチの早期発見につながる可能性がある物質を特定したと発表した。血液検査により、がんなどを早期発見できるようになるという。
これは糖質が鎖のように結合して細胞表面から突き出した「糖鎖」と呼ばれるもので、がんなどの診断や経過観察に役立つと期待されている。
北大は血液に含まれる糖鎖を解析する機器で、健康な人とがん患者などの糖鎖の量の差を解析。肺がんと膵臓がんでは、それぞれ特定の糖鎖が患者の方が健康な人より少なくなり、リウマチでは逆に、別の糖鎖が患者の方が健康な人より多くなることを突き止めた。
一滴以下の血液での解析が可能で、肺がんでは約90%、膵臓がんでは約93%、リウマチでは約96%の確度で区別できるとのデータが得られたという。
北大の西村紳一郎教授は「実用化されれば早期発見が極めて困難だった肺がんや膵臓がんを、健康診断で発見できるようになる」と話している。
これは面白い。
今年はたんぱく質やら糖鎖やら、細かい物質による診断法の確立が多かったように思います。大変良いことというか、患者にとっては非常に有益なことです。特にがんなどの場合、予後などと密接に関与してきますし。
あとはこの技術が全国的に統一されるかどうか、というところでしょうね。今でも、とある物質(抗体など)を精査するために大学病院に血液を送ったりしていますし。そういう技術が全国に普及すれば、もっと迅速に患者の変化に対応できるでしょう。
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