国立循環器病センター(大阪府吹田市)で臨床試験(治験)中の補助人工心臓を装着した少年=当時(18)=が約2週間後に心肺停止となり、重い脳障害を負って死亡していたことが17日、分かった。
同センターによると、少年は心筋の働きが落ちて心臓が肥大化する「拡張型心筋症」と診断され、昨年春にセンターに入院。未承認の補助人工心臓「エバハート」の治験に本人が同意した。
装着手術の約2週間後に容体が急変。一時、心肺停止となり緊急手術が実施されたが、脳に重いダメージを受け、意識不明のまま約1年後の今年春に死亡した。
センター側は、少年が意識不明となってからも家族に治験の継続を勧め、家族の代理承諾で少年が死亡するまで治験を続けていた。
エバハートを開発したサンメディカル技術研究所(長野県諏訪市)によると、治験は2005年5月から今年8月までに東京女子医大病院や埼玉医科大など5施設で計18人に実施し、これまで5人が死亡。6カ月生存率は89%、1年生存率83%で、承認申請を近くする予定という。
原因を究明して、弱点があればそれを改良してほしいですね。
でも6ヶ月生存率が9割ということは、1割の方は亡くなってしまうということが分かっているわけですから・・・こういうこともある、ということになってしまう可能性も。元々が拡張型心筋症でしたし。装着手術によるものと考えられなくもありませんが。
エバハートそのものは効果を上げているわけですから、患者自身の何らかの因子によるものなのかもしれませんし、装着によるものかもしれません。そこを究明することも、治験の意味の1つです。
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医学処:補助人工心臓を管理する「人工心臓管理技術士」の資格
医学処:補助人工心臓を永久装着して歩けるようになるまで回復する。
2週間後に容態急変で、亡くなったのは1年以上経ったあとだよ。