山形大医学部(山形市)は19日、臨床実習で指導医の監督の下、学生が治療に参加する「スチューデントドクター制度」を来年1月から導入すると発表した。臨床実習をめぐり学生参加を明確に位置付けた制度の導入は全国的にも珍しいといい、嘉山孝正医学部長は「見学だけでは医学の質は向上しない。学生の自覚や責任感を高めたい」と話している。
医学部によると、臨床実習前の4年生には現在、患者の治療に加わるのに必要な知識や技能の有無を評価する「共用試験」を実施しており、この試験に合格した学生を「スチューデントドクター」と認定する。
認定された学生は臨床実習で指導医の監督を受けながら採血や皮膚の縫合など実際の診療を行う。患者には事前にインフォームドコンセント(十分な説明と同意)を徹底するほか、学生の名札にはスチューデントドクターと明記して一定のレベルに達していることを保証するという。
技能の共用試験というのはOSCE(オスキー)のことでしょうね。今の医学生はこれをクリアーしないといけないわけですけれど、OSCEでやることって診察の仕方とか、異常の見方などで、あっても縫合レベルのこと。まぁそれだったら学生でもやっていいというか、やらせるべき内容ではあるのかもしれません。
ただその、記事中にもありますけれど、インフォームドコンセントを徹底する、というのが絶対条件ですね。いくら大学病院とはいえ、患者さんは患者さん。患者さん優先なのになんで医師免許もない学生にやらせなきゃいけないんだという思いはあると思います。それにスチューデントドクターだからといって何でもかんでもやらせていいわけではありません。そのさじ加減を忘れて何でも学生にやらせることは教育とは言えません。そのためのインフォームドコンセントです。
どうしても嫌だったら断ってもいいことですし、たとえ断っても医者は嫌な感じを持ったりしないので、安心して自分の本音を伝えて下さい。私でも嫌なものは嫌ですから、もし入院したら内容によっては断ると思います。
医療というのは代々教育によって受け継がれてきたものです。未来ある医学生のため、やってもいいよという、お心があれば、いいですよ、とおっしゃってください。学生はありがたく全力で受け持つでしょうし、患者さんのことは一生忘れないでしょう。
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